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企業と企業との取引であるBtoB(Business to Business)取引は、私たち消費者の目に触れない商品やサービスを取り扱うことが多くあります。そのため、その取引に従事していない一般市民の視点からは、市場規模のイメージがわきにくい面もありますが、実は日本で行われる取引の大半は、BtoB取引であると言われています。
近年、マーケティングオートメーション(以下、「MA」)というマーケティングのデジタル化・効率化が進んでおり、これによりBtoB取引市場はさらに発展すると考えられています。この記事では、MAがもたらすBtoB市場の変化について解説します。
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目次
BtoBマーケティングの市場とは
BtoB取引は、は購買者が個人ではなく法人であることから、取引における購入量や商品単価ともに、一般的にBtoC(Business to Customer)取引よりも多く、また高額になります。必然的に市場規模としても大きくなり、BtoCの市場規模と比べると、格段にスケールが大きいのが実際です。
BtoBマーケティングの市場規模
独立系ITコンサルティング調査会社の株式会社アイ・ティ・アールによると、BtoBマーケティング支援市場の規模は2019年予測で72億円。対してBtoCは、152億円の予測になっています。
市場規模はBtoCに比べて半分程度ですが、消費者と企業の数を比べるとBtoBの市場規模は非常に大きいと言えます。この市場における顧客のニーズをとらえるマーケティング活動は、日本経済に与える影響が非常に大きいといえます。
出典: ITRが統合型マーケティング支援市場規模推移および予測を発表
BtoBマーケティングの今後の市場推移
現在BtoB取引市場は、大きな変革期を迎えています。
具体的には、これまでの対面営業やリアルの店舗での売買から、インターネットを通じた売買にシフトしつつあります。このことを、<Eコマース化>といいます。
経産省の「平成29年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によれば、BtoBのEコマース市場は約317兆円にものぼり、Eコマース化率は約3割となっています。スマホの普及やテクノロジーの進化で、ますますこのトレンドは進んでいくことが予測できます。
Eコマースが盛んになるにつれ、グローバル取引がより簡単になるため、従来の日本の企業がとってきた足を使ったマーケティング方法では、取引スピードに追いつけなくなってきました。そこで、デジタルマーケティングとよばれる、インターネットやデジタルツールを活用したマーケティング手法が出現するようになったという経緯です。
こうしたデジタルマーケティングの中でも、MAとよばれるツールを駆使したマーケティング方法では、数多く存在する見込顧客や既存の顧客を一元管理し、取引につながる可能性を自動で評価し、発注獲得のためのシナリオ設計、実行がなされます。MAはあくまでツールですので、使いこなす人間の力が必要ですが、MAの導入により、BtoBマーケティング市場の拡大はさらに加速化することが予測されます。
BtoBマーケティングオートメーション(MA)市場の規模と推移
日本のデジタルマーケティング市場規模は成長を続けています。市場規模としては、2016年には300億円を超え、今後2022年にはその倍以上の630億円程度の市場規模になるといわれています。このようなデジタルマーケティング市場の急成長に一役かっているのがMAです。
MAをはじめマーケティング支援を行っているシャノン社の調査によれば、2017年の調査で、MAを導入したBtoB企業の50%以上が、導入により自社のマーケティングに何かしら改善が実感できたと答えているようです。
出典:【株式会社シャノン BtoBマーケティングに関するアンケート調査実施】マーケティングオートメーション導入企業の6割が効果を実感。活用の本格化はこれから
日本のマーケティングオートメーション(MA)市場
これまでの日本におけるBtoB取引では、得意顧客を抱え込み御用聞きのような形で営業活動をしたり、飛び込み営業やテレアポ、足で営業先をまわって挨拶まわりをするような形のマーケティングが主流でした。
しかし、上述のように、インターネットの普及やEコマース化により、クライアント側も購買プロセスとしてまずはオンライン検索をして、商品を比較検討することが当たり前になってきました。そのような見込み顧客の購買行動の変化に対応するため、2014年ごろからMAを導入しはじめる企業が増えてきました。あと数年もすれば、日本におけるMAの市場規模は200億円を超えるとも予測されています。
後述しますが、MAはもともとはアメリカで生まれたため、ツールもアメリカのベンダーのものが利用されていましたが、近年の日本でのMA市場の成長をうけて、国内で開発された国産MAツールもリリースされるようになってきました。
世界のマーケティングオートメーション(MA)市場
マーケティングオートメーションは、日本市場では近年特に注目されはじめてきましたが、特にアメリカではいちはやく2000年代前半には、BtoB企業の注目を集め始めました。合理的な仕組みを愛するアメリカらしく、マーケティングオートメーションは、それ以降次々と企業への導入が進みました。
アメリカでのBtoBマーケティングオートメーションの市場規模は、2009年にはおよそ1億ドルでしたが、2017年には33倍となるおよそ33億ドルにまでなりました。アメリカのみならず、ヨーロッパや中国などでも普及が進んでおり、世界のマーケティングオートメーションの規模は、2017年におよそ114億ドル、2023年にはおよそ251億ドル、日本円にしておよそ2兆8千億円にまで拡大することが予想されています。
BtoBマーケティング市場の今後
MAをはじめデジタルマーケティングの発展は、BtoBの市場を大きく変えようとしています。上述のように顧客の購買プロセスの第一歩は、インターネットにシフトしています。
昔は商品のことを知りたければ、営業担当者と会わなければ情報が手に入りませんでしたが、今は個別の企業にコンタクトするよりも、まずはヤフーやグーグルで検索をしてみて事前情報を収集してから、購入候補を絞り込むことが一般的です。
企業もこの購買行動に合わせて、インターネットで必要な情報を必要なタイミングで提供していく必要があります。
しかし、すべてのマーケティングプロセスがデジタル化されるわけではなく、見込み客の中でも真剣に購入を考えている見込み客については、適切な段階でより詳しくよりその企業のニーズにあった情報をインプットしていく必要があります。例えば、セミナーの開催や営業担当者との打ち合わせなどです。
このプロセスでは、従来どおりマーケティング担当者や営業担当者の対人ソフトスキルが必要になるといえるでしょう。
MAによりもたらされるBtoB市場の変化とは、これまでの営業手法に加え、一部のプロセスについてインターネットの力を借りることでより高いパフォーマンスが狙えるという点なのです。こうした掛け算効果により、BtoBマーケティング市場はますます拡大が期待されます。
また、大規模な設備を導入しなくても、クラウドツールなどを導入することで、中小企業もBtoBビジネスに参入しやすくなります。こうした点も、BtoB市場の成長を後押しするポイントの一つになっているといえます。
BtoBマーケティング市場のまとめ
いかがでしたでしょうか。BtoB市場の購買プロセスの一部は、インターネット上での情報収集にシフトしつつあります。それに対応して、MAをはじめとしたインターネットを活用したマーケティング方法は成長を続けています。
BtoB市場はMAの導入などデジタル化により、この市場はさらに拡大していくことが期待できます。
●BtoBマーケティングを効率的に学習したい方はこちら
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⇒【 BtoBマーケティングの副業紹介!BtoBマーケティングの副業に求められるスキルやメリットは? 】
【 マーケティングに関するコラム・インタビューの一覧(まとめ)はこちら 】
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