役員や経営者経験を活かした顧問という働き方

役員や経営者経験を活かした顧問という働き方

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役員や経営者としての経験を活かした副業として最もメジャーなものは、顧問という働き方であると言えるでしょう。自らの経験を活かして企業の成長を支援していくことのできる顧問という仕事は、自ら経営に携わるのとは異なる性質をもった、貴重な体験が得られる価値ある仕事となりうるものです。

一方、顧問とひとくちにいっても、実際にどのようなサービスを提供する仕事であるのか、具体的な業務やアウトプットのイメージが湧かない方も多くいらっしゃるのではないかと思います。また、人によっては顧問という存在に対して、ネガティブなイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、

  • 顧問の仕事とは具体的にどのようなものであるのか
  • どのような顧問であれば価値ある顧問として認められるのか
  • どうすれば依頼企業側から見て経営におおいにプラスを生み出してくれる頼れる顧問となれるのか

について、徹底的に掘り下げていくとともに、

  • そのような価値ある顧問となるための方法
  • 最適な顧問先企業の見つけ方およびパートナーシップの築き方
  • 積み上げてきた資産の切り売りではなく、さらに新しい能力や経験が得られる仕事としての顧問業」のかたちを作り上げ方

について、整理します。本記事を材料として、改めてご自身が考える「顧問としての働き方」について考えを深めていくことにつなげていただけましたら幸いです。

顧問の仕事とは?

顧問の仕事とは?

顧問の仕事の本質は、経営者や経営陣と向き合うことです。導く(上から目線で教える)のではなく、支える(下から持ち上げる=イエスマン・PRパーソンとなって経営陣を盛り立てる)のでもなく、向き合う(横で話し相手・相談相手となり共に考える)ことが仕事の本質です。

具体的には、経営陣が将来展望を描いたり重大な意思決定を行ったり、事業運営上の課題解決を進めたりするにあたって、経験によって磨き上げてきた物の見方に従って経営陣には見えていない新しい独自の視点や問いを投げかけ、経営陣の話し相手となり、経営陣とともに具体的な答えを出していくことこれが顧問の仕事です。

顧問業のポイント

・経営陣には見えていない角度から有益な投げ込みを行う
・過去の経験資産・情報資産・人脈資産の切り売りではなく、経営において何を考えるべきなのか、経営課題に対して何をするべきなのか、顧問自身も考える
・単に批評や評論を行っておしまいではなく、具体的な会社としての結論を導くところまできっちりと伴走する

「何かあったら聞いてください」というようなスタンスではなく、実際には「このようなテーマについて我々はどのように考えていくべきだろうか?」という問いや、「この課題に対してはこのように対応すべきではないだろうか」という仮説提案を自ら投げかけていくスタンスが強く求められます

成果に対するプレッシャーも非常に大きい仕事です。そして、最前線で当事者かつ最終責任者として経営に携わっている経営者・役員がもつ強烈なエネルギーと対峙するパワーを備えていなければなりません。なにより、経営者・役員が「この人にはなんでも相談できる」と思えるような人徳、倫理観を備えていることが求められるので、誰もが簡単にできる仕事ではありません。

しかし、だからこそ得られる報酬や、顧問先企業が自らのアドバイスも活用しつつ見事に事業を発展させていった暁に得られる名声は、非常に大きなものがあります。それに加えて、自身よりも経験は少ないかもしれないが新しい挑戦に身を賭している若き経営陣から、自身では考えもつかなかったような斬新な発想や物の考え方を逆に学ばせてもらうことすらできる仕事でもあります。その意味で顧問という働き方は、大変に魅力的なものです。

役員・経営者の経験を有する人のキャリアパスとしては、次に再び別の会社の役員・経営者を務めたり自身で創業したりという道筋がオーソドックスなものですが、その合間に顧問という段階を挟むか、あるいは並行して顧問という副業を行うことで、自らの経営に対する考え方やスタイルをアップデートすることが可能になります。

中には、実態をよく理解していない人から「ご隠居」などと揶揄されるケースがありますが、それはおおいに的外れです。実際の顧問という働き方は、経営の経験を積んだ方がその先の未来のキャリアをさらに輝かしいものにしていくために、積極的に挑戦すべきステップであるといえるのです。

顧問の具体的な働き方のスタイル

顧問の具体的な働き方としては、様々なスタイルが存在します。最も一般的なスタイルは、顧問先企業との間で顧問契約を取り結び、1年以上の長期間に渡って定期的に顧問先企業に出向いて、経営者・経営陣と直接対面での会合を持つという勤務形態です(顧問契約型長期顧問)。

これに対し、近年では1か月~半年ほどの短期間の「期間限定型短期顧問」や、相談・依頼を受けた時だけスポットで出向く形の「単発型顧問」、不特定多数のアドバイザーと不特定多数の企業がオンラインでつながり、対面ではなくチャット等でアドバイスをするだけの「クラウドオンライン型顧問」といったさまざまなバリエーションが生まれてきています。

しかし、顧問が本来の意味での役割を果たしていくには、経営陣と濃密な関係を築いていく必要があるため、やはり最も一般的な「顧問契約型長期顧問」スタイルが最適であるといえるでしょう。

価値ある顧問とは?

価値ある顧問とは?

顧問を依頼する側にとって企業経営におおいにプラスになる顧問とは、どのような顧問でしょうか?現実には、「顧問の存在が逆に経営にマイナスに作用してしまった」というような声が聞かれることもあります。顧問を務めるからには、そのようなことにならないよう、どうすれば価値を生み出していくことができるのかについて、考え抜いていく必要があるでしょう。

顧問先企業の経営陣に欠けている部分を補う存在になれるか?

価値ある顧問となるための道のりは、顧問先企業を選ぶ段階からすでに始まっています。それは、「相手の会社の経営陣に欠けている部分を補いうる存在になれるかどうか」で決まります。どれだけ経験豊富で能力の高い顧問であっても、同種の経験を積んだ人物が経営陣の中に存在していたり、能力的・スタイル的に近しい人物が経営陣の中に存在している場合には、新しい視点を提供することが困難であるばかりか、経営陣との間に無用な軋轢を生んでしまうことにもつながりかねません。

そのため顧問先企業を選ぶ段階は、価値ある顧問となるための非常に重要なステップなのです。顧問先企業をいきなり探し出すのではなく、まずは自身の経営に対する考え方、経営のスタイルを丁寧に棚卸し、「こういう企業の顧問であれば価値を提供できそうだ」ということを整理した上で、顧問先企業を選び出していくことが重要になります。

「顧問になって頂けませんか」という声がかかるということは、大変嬉しいものです。しかし、どんな会社からの依頼でも全て引き受けてしまっていると、結果的に何も価値を提供できない顧問になってしまう場合があります。そのような状況になってしまうと、顧問先企業の社内からも不満の声があがってくることでしょうし、社会的にもあまりよろしくない風評が立つことになってしまいます。

ですから、「自身が顧問として価値を提供できる相手先かどうか?」を見極めていくことが、極めて重要なのです。そのためにも、最初に自身の強みを棚卸することです。

特に新興企業の顧問を勤める場合の注意点

特に注意すべきは、新興のベンチャー企業の顧問を務める場合です。まだ信用は低いが将来有望なベンチャー企業が、対外的信用を高めるために、高い知名度と確かな実績・人脈を有した経営経験者を顧問として迎え入れるケースというのは多々あります。こうした企業に顧問として入った結果、顧問先企業が健全な発展を遂げることができたとするならば、あなたの名声はますます高まっていくことになるでしょうし、若々しい新進企業からあなたが学びえることも多々あるわけですので、顧問先企業とするには非常に魅力的であるといえます。

しかしこのようなケースにおいては、多くの場合「顧問として自身の顔と名前が大々的に会社のPRに使用されることを許容する」というようなことが取引条件として伴うものです。そこにはさまざまな潜在的リスクがあります。このような場合、顧問を引き受けるに際して、その会社が将来有望な会社かどうかを精査してから引き受けるわけですから、自身の名においてその会社にある種の「お墨付き」を与えることになるわけです。

ところが思うように成長が進まなかったような場合や、事件・コンプライアンス違反といった問題が発生した場合に、責任が問われたり、社会的信用を損ねたりする恐れもあります。そこまでの問題が起きなかったとしても、顧問として価値あるアドバイスを経営陣に行えず、単なる信用強化のための箔つけ(名前貸し)だけのような存在となってしまったりした場合、顧問先企業が期待しているほど信用効果が得られなくなってしまうこともあり得ます。

こうなってしまうと、顧問を引き受けた側にとっても、リスクになります。今後将来にわたってその会社の色がついてしまい、中立的な立場で活動していくことが難しくなってしまう恐れすらあると言えます。ですから、このようなケースにおいては特に「自身が価値のある顧問になりうるかどうか?」を、より入念に熟考していくことが大切になります。

価値ある顧問となるためのスタイル

もしも自身の強みが活かせるベストな顧問先と巡り合えたとしても、それだけで価値ある顧問になりうるとは限りません。自身の強みを活かしてどのように経営陣と向き合っていくか、その向き合いのスタイル次第で、価値を出せるか出せないかは決まります。ただ単に「私のときはこうだった」を紹介するだけでは、価値のあるアドバイスにはなりえません。

ましてや、かつて経営陣を務めていたころに知り得た情報をそのまま横流しすることは、場合によっては問題ともなり得ます。ただ単に「あそこの〇〇さんはXXXな人だ」というような情報を単純にインプットするだけでは、顧問先企業の経営の役には立ちません。そのような経験の切り売りではなく、「御社の経営課題については自分であればこのように考えます」といった経験に基づく具体的な考えを打ち出していかねば、価値ある顧問とはなり得ません

また、顧問は顧問先企業において丁重に扱われることが通例ですから、自身の発言や行動によって経営陣や幹部を委縮させたり、自身に対して無用な気遣いや忖度をさせないように留意しなければなりません。このようなことが起きてしまうと、顧問によって経営はミスリードされ、マイナスの方向へと転落していきます。

一方、顧問料が貴重な収入源になっているようなケースにおいて、様々な場で顧問先企業のPRに過度にいそしんだり、顧問先企業の経営陣を手放しで賞賛したりというようなことを過剰に行ってしまうと、ズブズブの関係になってしまいます。これでは価値ある顧問として本来の役割を果たしているとは言い難いでしょう。

価値ある顧問となるためには、経営陣の横に直立し、経営陣と向き合って対話しながら、経営陣と共に経営課題に対峙していかなければなりません。前例のないプロジェクトが直面している巨大なハードルの具体的な乗り越え方や、突発的かつ致命的なリスク・トラブルにどのように対処すべきか、といった経営陣の苦悩に対して、共に解を模索していく対話相手となることで解決への道筋を共に切り拓いていくことこそが、価値ある顧問となりうる唯一の道であるといえるでしょう。

エグゼクティブコーチ的な役割

そして、この対話のプロセスの延長線上に顧問のもうひとつの価値が存在します。それは、顧問がもつ、エグゼクティブコーチ的な側面です。顧問は、対話を通じて経営陣の成長を促すことができるのです。経営者・経営陣には、総合的・全人間的な能力が求められます。会社に集う人間の代表としての人間的意志をもって絵を描き、道筋を決定し、人望をもって人を動かす才が求められます。油断していると日々摩耗していきますので、過酷な経営業務と並行する形で、この能力を磨き続けていかなければなりません。

しかし、経営者・経営陣というものは概して孤独なものです。常に自分自身で自分自身と向き合って、自問自答し、決断をし、そのプロセスを経て自ら成長を創っていくものです。ただこのプロセスには、どうしても限界があります。自らと向き合うことには、限界があります。ここに、顧問という存在の価値があります。

顧問が経営者の隣で「鏡」となって経営者の自己との対話を支援していくことで、経営者は指数関数的・非連続的・爆発的に成長する機会を得ることができるのです。顧問がそのような役割を果たしていくためには、常に経営陣と強烈に向き合っていかなければなりません。正解のない問いに対して根源的に考え抜き、その経営者特有の個別解を創造していく道筋を、隣で支援していくのです。

こうしたエグゼクティブコーチ的な役割こそ、実際のところ経営者が顧問に求める最大の要素といっても過言ではないでしょう。経営者・経営陣が信頼をもって相談できる相手というのは、世の中にそうそう存在しないのです。顧問という仕事は、その意味でも大変に社会的意義を持った仕事であると言えるでしょう。

価値ある顧問になるためには

価値ある顧問になるためには

それでは、顧問を依頼される側の役員・経営者経験者が、確かなやりがいをもって身を捧げられる顧問の仕事のありかたとは、どのようなものでしょうか? まずは、顧問先企業選びが重要です。いくら顧問側が真剣に顧問業に取り組んだとしても、顧問先企業の体質によっては、自身の貴重なキャリアに傷をつけてしまうことにつながってしまう恐れもあります。顧問先企業の見極めは非常に重要です。

コンプライアンス的に問題がある企業は論外として、顧問から情報資産や人脈資産を強制的に引き出そうとする企業も、難があるでしょう。むしろ顧問先企業のほうが、顧問に対して本質的な支援ではなく「過去の資産の切り売り」を求めてくるケースが考えられるというわけです。その最も極端なケースが「名義貸し」でしょう。

また、最近では、注意が必要な顧問取次会社・斡旋サービス会社も多く存在していると言われています。シニア・ベテランの経営経験者・経営幹部経験者をターゲットに、高額な紹介料や高額な付帯サービス料を取るようなサービスです。悪質な場合には、実体のある顧問先企業候補がろくに存在していないようなケースもあると言われています。

したがって、顧問先企業を選び出していくにあたっては、信頼できるプロのエージェントを通すことが重要になります。顧問側の強みと顧問先企業側のニーズを、プロの目で精査して適切にマッチングを図っていかなければ、最適な顧問関係を作り上げていくことは難しいものです。

何より、自身の既存のつながりの中から自ら顧問先を切り拓いていくというアプローチでは、どうしても様々なしがらみを生むものですし、そうしたアプローチはできれば避けたほうがよいと言われています。信頼できるプロのエージェントを通すことで、あなたの経験と能力を本当の意味で必要としており、尚且つあなたとの相性がぴったりな顧問先企業を発見できる確率が、飛躍的に高まっていきます

ここまでで見てきたように、顧問という働き方は、決して生易しいものではなく、価値ある顧問となりうる相手先企業を探し出すことも決して容易なことではありませんが、役員・経営者経験を有した方にとって顧問は、自分自身の経営スタイルの幅を広げていくための機会となり得ますし、加えて、日本に不足していると言われているプロフェッショナル経営人材を育成するという使命感、やりがいをも感じさせてくれる、大変有意義な仕事になりうるものなのです。

ぜひ、信頼できるプロのエージェントを通じて、価値ある顧問という働き方に、あなたの大切な時間を注いでみられてはいかがでしょうか。

 

この記事を監修した人

荻久保健一
荻久保健一
執行役員マーケティング本部長:株式会社ホールハート
これからの新しい働き方「副業社員」や「インターン副業」をマーケティングの力で広げるために日々奮闘する美容好きおじさん。
自身も副業でマーケティングアドバイザーやwebメディアを複数運営。
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