by大村昂太朗
リモートワーク・テレワークの導入事例5選を紹介!導入する場合のメリット・デメリットも
最近では、「リモートワーク」「テレワーク」という言葉をよく耳にするようになりました。
リモートワーク/テレワークとは、「時間や場所に縛られず遠隔で働くこと」を指し、これらによって労働者は様々なメリットを得ることができます。
感染症対策として広く企業が在宅ワークを導入するにあたって、一般的によく知られた言葉となりました。
しかし、企業側は導入によってどのようなメリットを得られるのでしょうか?また、導入に際しての注意点、導入を成功させるためのポイントはあるのでしょうか?
今回はこれらの疑問を踏まえ、リモートワーク/テレワークを導入した企業の成功事例を紹介していきます。
アフターコロナも視野に入れて導入を検討している企業の方は、是非参考にしてください。
目次
リモート・テレワークの導入事例増加
近年は技術の発達や時代の流れにより、時間や場所に縛られずに業務を行う事が可能です。
政府が働き方改革を掲げていることもあり、総務省調べによると、企業のテレワーク導入率は以下のように推移しています。
年度 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
導入率 | 9.3% | 11.5% | 16.2% | 13.3% | 13.9% | 19.1% |
2016年度に導入率が少し落ちているものの、全体的な流れとしてはテレワークを導入する企業は増加傾向にあるといえるでしょう。
導入事例が増えている理由としては、以下3点があげられます。
- ネットの発達などで、出勤しなくても業務を行えるようになったから
- 政府の働き方改革に沿い、ワークライフバランスの実現を目的としているから
- リモートワーク、テレワークの導入によって費用削減や生産性向上などが見込めるから
このように様々な背景がありますが、企業として最も気になるのは「リモートワーク・テレワークを導入することでどのようなメリットが得られるか」という点。
続いては、導入事例によるメリットを見ていきましょう。
導入による良い事例
リモートワーク・テレワークを導入することによって企業が得られるメリットは、主に3点挙げられます。これらのメリットが自社にとって旨味となりえるか、検討してみてください。
- 各種費用の削減
- 優秀な働き手が確保できる
- 事業が継続しやすい
これらのメリットが自社にとって旨味となりえるか、検討してみてください。
①各種費用の削減
リモートワーク・テレワークを導入することで、社員は出勤せずに業務を行うことが可能となります。それにより、社員の交通費やオフィスの水道・電気代など、様々な費用を削減可能です。
②優秀な働き手が確保できる
リモートワーク・テレワークならば、介護や障害などによって通勤が困難な働き手も雇用することができます。雇用できる人材の幅が広がることで、優秀な働き手も確保しやすくなるでしょう。
また、育児や妊娠を理由として離職する場合なども、家庭と仕事を両立してもらうことが可能です。
育児中の方や障害を持った方を雇用することで得られる助成金や補助金もあり、資金繰りの点においてもメリットがあります。
③事業を継続しやすい
リモートワーク・テレワークを導入することで、不測の事態が起きた際にも業務を継続しやすくなります。
事例でも挙げていますが、コロナウイルスが流行した際にリモートワーク・テレワークを実施することで、社員のウイルス感染を防ぐことができ、社内総感染という最悪のケースを避けられます。
ほかにも、災害が起きた場合や交通機関のトラブルにより通勤が出来なくなった場合も、柔軟に自宅で業務に取り掛かってもらうことが可能です。
外部の影響によって業務が停止することが減るので、事業の継続性が高まります。
導入による悪い事例
リモートワーク・テレワークを導入することで得られるのはメリットばかりではありません。導入する場合、以下3点の注意点が伴います。
- コミュニケーションの減少
- 生産性が下がる可能性がある
- 評価方法を工夫する必要がある
これらを事例に乗せて紹介していきますので、懸念点も考慮してみてください。
①コミュニケーションの減少
リモートワーク・テレワークのデメリットとして、社員同士のコミュニケーションが減ることが挙げられます。それにより、以下のようなデメリットが生まれます。
- チームワークが必要な業務には支障が出る
- 相手の異変に気づきにくく、フォローできない場合がある
個人で仕事を完結できる業務ならほどんど問題はありませんが、チームとしてプロジェクトを進めていくような仕事である場合は、なんらかの対策を講じる必要があるでしょう。
②生産性が下がる可能性がある
リモートワーク・テレワークによって、かえって生産性が下がってしまう可能性があります。
一般的には「通勤の手間が省けるので、その分生産性が高まる」とされていますが、中には「自宅だと集中できない」という方もいるでしょう。
リモートワーク・テレワークは社員が業務を行っているかを監視することができないので、ノルマや納期を課すなどして管理していくことも大切です。
③評価方法を工夫する必要がある
リモートワーク・テレワークをする場合、評価方法を工夫する必要があります。
というのも、オフィスにいる場合は労働時間や勤務態度を把握することができますが、自宅で業務を行う場合はそれらを完全に把握するのが難しいからです。
「長く働いている」「頑張って働いている」といった点で判定できないので、公正な基準を設けておかないと、社員は適切に評価されているのか不安を感じる恐れがあります。
基本的には成果物ベースで判断していくことになると思いますので、盤石な評価体制が構築できるよう、会社全体で話し合ったほうがいいでしょう。
導入成功事例5選
ここでは、具体的な導入事例を企業名を出しながら紹介していきます。成功事例はいずれも、リモートワーク・テレワークの導入に際して以下がきちんと定められています。
- 導入目的
- 対象者
- 実施場所
- 実施頻度
- 導入のための工夫
これらも参考にしつつ、成功事例5つを見ていきましょう。
①ローソン
導入目的 |
従業員の子育て支援 |
対象者 | 小学3年生までの子供を持つ社員 |
場所 | 自宅 |
実施頻度 | 週2日、月10日まで |
導入のための工夫 | テレワーク利用者にアンケートを行い、利用状況や改善点を把握する |
ローソンは、2008年に小学3年生までの子供を持つ社員を対象に、テレワークをトライアル導入しました。
導入当初は女性社員が主にテレワークを利用していましたが、管理職の男性がテレワーク申請をしたことが社内に普及するきっかけとなったそうです。
上の人間が率先してテレワークを活用することで、ほかの従業員も利用しやすくなっている事例だといえるでしょう。
テレワークではデータ管理やリーガルチェックなど、最低限のコミュニケーションで済む業務を行っています。
②リクルートホールディングス
導入目的 |
経営理念の実現に向けて |
対象者 | 従業員すべて |
場所 | 場所の指定はなし |
実施頻度 | 上限は設けず、上司の判断により決定される |
導入のための工夫 | 通勤時間を減らすために、2015年よりサテライトオフィスの整備を開始している |
リクルートホールディングスは、「個の尊重・新しい価値の創造・社会への貢献」という経営理念の実現に向け、2015年1月にテレワークを本格導入しています。
従業員+テレワークを希望する派遣社員を対象者としており、個人の状況と上司の判断次第で、柔軟にテレワークを行えるのが特徴です。
対象者を特に制限していないことから、従業員の事情にあったフレキシブルな働き方ができる事例だといえるでしょう。
また、作業場所の指定はなく、自宅やカフェ以外に、35個あるサテライトオフィスなどで作業を行うことができます。
③東急電鉄
導入目的 |
育児・介護者の負担軽減により企業の持続的な成長を図る |
対象者 | 妊娠、育児、介護を始めとし、従業員の多様性に考慮 |
場所 | 所の指定はなし |
実施頻度 | 上司の判断による |
導入のための工夫 | テレワークによるコミュニケーション減少を防ぐための「トークwith」という活動 |
東急電鉄は、多様な人材が活躍できるように「ワークスタイル・イノベーション」の推進を掲げており、以下のような評価も得ています。
- 女性が活躍する企業に贈られる「なでしこ銘柄」に4年連続選ばれる
- 従業員の健康管理に取り組む企業に贈られる「健康銘柄」に2年連続選ばれる
2014年にテレワークを導入した際は育児・介護者を対象としていましたが、2016年からは従業員の様々な事情に合わせ、対象者を大きく広げています。
また、テレワークによるコミュニケーション減少を防ぐために行っている「トークwith」では、専用のシートを用いて、上司・部下間での業務評価以外の会話を促進しているようです。
社会的な評価を受けるのも納得の事例ではないでしょうか。
④積水ハウス
導入目的 |
育児・介護等の事情がある従業員が活躍できる仕組みを整える |
対象者 | 育児・介護中の従業員 |
場所 | 基本的には自宅 |
実施頻度 | 終日在宅勤務が週1,2回 スポット在宅勤務が週に5回 |
導入のための工夫 | 終日在宅勤務以外に、事務所での短時間勤務とスポット在宅勤務を組み合わせるといった働き方が可能 |
積水ハウスは、2008年に人事基本方針として「人材サステナビリティ」を掲げ、以下3つを柱としています。
- 女性活躍の推進
- 多様な働き方、ワークライフバランスの推進
- 多様な人材の活用
その後、2013年にテレワークをトライアル導入し、2015年にはスポット在宅勤務と終日在宅勤務を組み合わせた働き方で本格導入に至っています。
- 事務所で短時間勤務後にスポット在宅勤務
- スポット在宅勤務後に事務所で短時間勤務
- 終日在宅勤務のみ
このような柔軟な働き方により、育児・介護中の方でも負担を最小限に留めつつ働くことが可能です。
⑤Phone Appli
導入目的 |
従業員満足度の向上 良質な人材確保と人材流出の防止 |
対象者 | 全従業員 |
場所 | 自宅・サテライトオフィス |
実施頻度 | 申請期間は最大6ヶ月まで |
導入のための工夫 | 自社製品である在宅勤務のためのICTツールを従業員が活用 |
Phone Aprilは、インフラ構築・クラウド提供などのサービスを提供している企業であり、2014年にテレワークをトライアル導入しています。
当時の目的は、自社で開発している在宅勤務のための様々なツールを顧客目線で試すことであり、その際に使用されたツールとしては以下のようなものがあります。
- 勤怠管理と工程管理を一体化することにより、業務報告が簡略化できるツール
- 全従業員の情報やステータスが共有できるツール
結果的に、従業員の満足度向上や業務の効率化に成功し、2015年からテレワークを本格導入するに至っています。
このように意図せずしてテレワークを取り入れる事例もあるので、データを取るという意味でも、一度トライアルとして試してみるといいかもしれません。
まとめ
今回は、リモートワーク・テレワークの導入事例について紹介してきました。上手く活用することができれば、以下のようなメリットが期待できます。
- 各種費用の削減
- 優秀な働き手が確保できる
- 事業が継続しやすい
しかし、導入には注意点が伴い、場合によっては逆効果となってしまうこともあります。
そうならないためにはメリットとデメリットを踏まえ、今回紹介した事例のように、なんらかの工夫をしたうえで導入することが大切だといえるでしょう。
また、当サイトでは副業としてリモートワーク・テレワークを行える人材を紹介しています。スポットで人材を雇用したい場合や、在宅ワーカーを試験的に雇用したい際にはぜひご活用ください。
この記事を読んだ方におすすめ
テレワークを実践して実感!副業に有効な3つの理由【体験レポート】
「プロの副業」では、皆様のライフスタイルに合わせた副業人材向け案件やフリーランス向け案件を無料でご紹介しております。
あなたのプロフェッショナルなスキル・経験を活かし「週1」や「月1」から業務可能。
例えば「週1定例打ち合わせ+リモートのみ」で対応可能な案件など、様々な働き方でご紹介可能です。
<こんな方におすすめです>
- 知人経由の副業はなあなあになるので避けたい
- 副業社員として働き、実務で自分のスキルに磨きをかけたい
- 自分のスキルを活かせる業務委託の仕事を副業ベースで見つけたい
- リモートワーク中心に、週1か月1くらいの隙間時間で副業の仕事を見つけたい
- 週末フリーランスで案件を安定させたい
こんなことでお悩みの方は、是非プロ人材の副業紹介サービス「プロの副業」をご利用ください。