by大村昂太朗
ECサイトの売上アップのための施策を詳しく紹介!売上を上げるための3つの指標とは?
ECサイト(通販サイト)の担当者となったはいいものの、なかなか売上が上がらず、お悩みではありませんか?
売上をアップさせるためには、難しい取り組みやキャンペーンをおこなうより、基本的な部分からしっかりと見直していくことが大切です。
本記事では、ECサイトの売上をアップさせるための基本的な考え方を紹介していきます。
「ECサイトの売上アップのための具体的な施策を知りたい」「売上に伸び悩んでいる現状を改善したい」とお考えのECサイト担当者の方は、ぜひこのまま読み進めてください。
目次
ECサイトの売上げをアップさせるための考え方
ECサイトの売上アップのために必要なものは、画期的な施策でも、大々的なキャンペーンでもありません。
ECサイトの売上をアップさせるためには、基本的な部分からきちんと整備していく必要があり、そのために必要な考え方は以下の計算式の通りです。
「ECサイトの売上=訪問者数×CV(コンバージョン)率×客単価」
- 訪問者数(サイトを訪問する人数)
- CV率(サイトを訪問した人のうち、商品購入に至る割合)
- 客単価(購入に至った顧客1人あたりが使う金額)
これら3点によって決定され、それぞれを最適化させていくことで売上を効果的に高めていくことが可能となります。
では、それぞれの数値を改善すると売上高にどのくらいの変化をもたらすのか、簡単なシミュレーションを見てみましょう。
*それぞれ10%アップしたと仮定
・月間のサイト訪問客数:10万UU(=ユニークユーザー)→改善後 11万UU
・CV立:1%→改善後 1.1%
・客単価:5,000円→改善後 5,500円
(改善前)100,000×0.01×5,000=5,000,000
(改善後)110,000×0.011×5,500=6,655,000
このように各要素の数値が10%アップすると月間の売上高は500万円から665万5000円へと133%増加となります。これはあくまでもシミュレーション上の数値ですが、売上高へのインパクトの大きさを実感できるでしょう。
また、運営するECサイトによっては、「そもそも訪問者数が少ない……」「訪問者数はかなり多いのに、成約に至る割合がかなり低い……」「そこそこ成約には至るが、客単価が低く売上が上がっていかない……」などと、問題点が異なるはずです。
よって、「訪問者数・CV率・客単価」のすべてをまとめて改善しようとするのではなく、自社のECサイトの現状をしっかり把握したうえで優先順位をつけていく事が重要となります。
次の章からは、それぞれの指標ごとに改善方法を紹介していきますので、自社のECサイトの状況を踏まえつつ参考にしてみてください。
ECサイト売上アップのための指標①訪問者数
ECサイトの売上アップを図る際にまず見直すべき要素が、「訪問者数」です。
どんなに見やすく使いやすいECサイトを運営していても、そもそもターゲット顧客の目に触れなければ意味はありません。
集客が上手くいっていない場合は、UIやデザインを見直す前に集客に力を入れていくべきだといえるでしょう。
訪問者数を増やしていくメリットには、以下の2点があります。
- CV率が低くても、集客ができていればある程度の売上は見込める
- サイト内での顧客の行動のデータが収集できる
他2つの要素によるメリットを最大化するためにも、まずはある程度まで訪問者数を増やせるようにしていきましょう。訪問者数を増やすためのポイントを3点紹介していきます。
検索エンジンでの集客
ECサイトの集客方法としてまず挙げられるのが「検索エンジンからの集客」であり、主に以下の2種類の方法があります。
- リスティング広告での集客
- SEOでの集客
それよりは、集客が見込めるキーワードでコンテンツをコツコツ作成していき、長期的に訪問者数を増やしていく方がECサイトの売上アップには結び付きやすいといえるでしょう。
その際はなるべく大企業との争いを避けるために、検索結果のボリュームが大きなビッグワードではなく、複数のキーワードを組み合わせたロングテールキーワードを狙うなどの工夫をしていくことが大切となります。
例えば、「健康食品」や「健康食品 おすすめ」というビッグワードよりも、「健康食品 おすすめ ダイエット」や、「健康食品 おすすめ ダイエット 続けやすい」というロングテールキーワードの方が上位表示させる難易度は低くなります。
顧客の不安や悩みや具体化しつつ、それに見合った難易度の低いキーワードを狙っていくといいでしょう。
SNSでの集客
SNSを活用し、TwitterやインスタグラムなどからECサイトへ集客するのも効果的です。ブランドや企業の公式アカウントを開設し、商品やサービス、キャンペーンなどの情報を発信しつつ、ユーザーやフォロワーとのコミュニケーションをとることができます。詳細の閲覧や購入手段としてECサイトへのリンクを掲載し、訪問者数を増やすことが可能です。
SNSマーケティングをおこなう場合は、いくつかあるSNSの中で自社のECサイトと相性がいいものを選ぶことが重要となります。
- インスタグラム
- LINE
例えばインスタグラムは、食品・アパレル・コスメなどの写真映えする業種とは非常に相性がよく、効果的な運用をおこなうことで訪問者数を増やしていくことが可能です。
それぞれ活用方法は異なってきますので、自社ECサイトの売上向上のために各SNSの特徴を考慮して相性のいいものを選びましょう。
顧客管理による集客
最後は顧客管理による集客方法ですが、顧客管理の方法としては「CRM」などが有名です。
CRMとは「Customer Relationship Management(顧客関係管理、顧客管理)」という意味であり、具体的に以下のような施策をおこないます。
- 顧客をメールアドレスやLINE@で管理する
- 顧客の購買行動やサイト内での行動を分析する
- それらの顧客のリストを整理する
CRMをおこなうことによって、それぞれの顧客に合わせてアプローチすることが可能となります。
例えば、顧客リストにて「前回の購買から30日以上経過している顧客」などの絞り込みをおこない、それらの顧客にまとめてクーポンを送付すれば、再びサイトを訪問してもらえるかもしれません。
新規顧客を開拓するよりもリピーターに買い物してもらう方が難易度は低いですし、ECサイトの売上アップを図るならば、顧客管理は非常に重要なポイントだといえるでしょう。
ECサイト売上アップのための指標②CV率
「ECサイトの訪問者数はそこそこいるけど、なかなか成約に至らない……」という場合は、CV(コンバージョン)率(CVR)を改善していく必要があります。
CV率とは、訪問者のうち購買や成約に至る人の割合を指します。例えば、訪問者数が100人で、成約に至った人が2人ならばCV率は2%です。
一般的にECサイトのCV率は1~2%とされていますので、もし自社ECサイトのCV率がこれを下回る場合は改善の余地があるといえるでしょう。
CV率を高めていくためのポイントを3つ紹介していきますので、ECサイトの売上アップのために役立ててください。
トップページを整理する
CV率を高めるために、まずは顧客がスムーズにECサイトを利用できるよう、トップページを整えていきましょう。
例えば、人気商品ランキングを用意したりカテゴリ分類を整えたりすれば、顧客は欲しい商品を見つけ出しやすくなります。
使い勝手の悪いECサイトでは、顧客は欲しい商品にアクセスできず、離脱率も高まってしまうので、まずはユーザーにとっての使いやすさを高めていくことが大切です。
それにはサイトにおけるユーザーの行動履歴の分析が欠かせません。専門的なログ解析により、ユーザーがECサイトにアクセスしてから購入、あるいはサイトから離脱するまでに、どのような行動をとったかを分析し把握します。その結果をもとにユーザーが購入に至らないボトルネックとなっているページや離脱率の高いページの特定、ナビゲーションの改善、購入を後押しするコンテンツの追加など、CV率を高める施策を実施することができます。
特に近年はスマホやタブレットで購買行動をおこなう方が増えていますので、モバイル端末に最適化していくことも忘れてはいけません。
商品の魅せ方を工夫する
続いては、商品の魅せ方や訴求方法を工夫していきましょう。
ユーザーが気になる商品ページにたどり着けたとしても、商品写真やLPが魅力的でないと、最後の一押しができない可能性があります。
ECサイトの業種や取り扱う商品によっても異なるでしょうが、常に顧客目線で「どうしたら購買に至るか」を考え、商品の魅せ方を最適化していくことが大切です。
CV率や離脱率の変化を見ながら、適宜LPを差し替えてみたり、ABテストをおこなってみたり、地道な努力を続けていきましょう。
ただ、最も簡単なのは、自社と近い業種で成功しているECサイトのLPを参考にすることなので、ライバルのECサイト等の分析も欠かさずにおこなっていきます。
ユーザーレビューを充実させる
顧客が購買に至る決め手として、「他のユーザーのレビュー」があります。
口コミを参考にしたり、口コミで安心感を持ったりする方は多いので、ユーザーレビューを充実させていくことで、CV率の向上が図れるでしょう。
実際「ナビプラス」の調査では、商品レビューの表示によってCV率が270%向上したというデータも出ています。
ユーザーレビューを充実させるためには、具体的に以下のような方法がありますので、参考にしてください。
- ECサイト内で使えるポイントを付与するなど、レビューによるインセンティブを設ける
- ユーザーレビューの定型文を用意し、書き込みやすいようにする
- レビューしたくなるような、顧客にとって魅力的な商品を取り揃える
ユーザーレビューによってCV率が高まれば、ECサイトの売上アップが期待できます。
また、レビューによってユーザー同士の交流が増えたりすれば、ECサイトが活気づいていくことにも繋がるでしょう。
→【参考】ナビプラスの調査(外部サイト)
ECサイト売上アップのための指標③客単価
ECサイトの売上アップのため、最後に重要となる要素は客単価です。
客単価とは「顧客1人あたりが1度の購入で支払う金額」を指し、客単価を出す簡単な計算式として、以下があります。
「客単価=売上高÷客数(購買に至った顧客数のみカウント)」
以下2つのECサイトの売上の例を見てください。
- 購買に至った顧客が1,000人いるが、客単価は500円→売上は500,000円
- 購買に至った顧客は500人だが、客単価は1,200円→売上は600,000円
このように仮に訪問者数やCV率が高いとしても、客単価次第ではECサイトの売上が思ったように伸びていかない可能性があります。
ECサイトの売上アップを図るために、客単価を高めていく方法も押さえておきましょう。
クロスセル
クロスセルとは、ユーザーがカートに商品を入れた際などに、その商品と親和性が高いものを勧める方法です。
そうすることで、「どうせなら一緒に買っておこうかな」「こんな商品もあるのか」と、ユーザーの購買意欲を刺激することができ、客単価を効率的に高めていくことが可能となります。
また、クロスセルは先述の「CRM(顧客管理)」と組み合わせることでさらに効果を発揮します。
顧客管理によって、顧客の属性に合わせたクロスセルをおこなえるので、勧める商品の精度を更に高めることができるのです。
クロスセルによって顧客は欲しい商品をまとめて購入できるようになりますし、顧客満足度を充足させる意味でもぜひ導入したい機能だといえるでしょう。
特定の金額から送料無料にする
特定の金額から送料無料にすることで、半強制的に最低客単価を設定することができます。
例えば「2,000円から送料無料」という基準を設ければ、多くの顧客は「2,000円分商品を買わなくては損する」と考えるでしょう。
時々イレギュラーはあるものの、ほとんどのユーザーは送料無料のラインまで商品を購入するはずなので、以下の要素から逆算して客単価を設定すると効果的です。
- 月の売上目標
- 訪問者数
- CV率
こうしたデータを基にしたうえで客単価を設定することで、月の売上がある程度コントロールできるようになります。
高額商品やプランを用意する
あえて超高額な商品やプランをいくつか用意しておくことで、既存の商品が売れやすくなります。
「松竹梅の法則」というものがあり、人は3つの選択肢を提示された場合、基本的に真ん中を選ぶ傾向が強いのです。
よって、この法則を意識して高額プラン、もしくは低額なプランを設定すれば、最も売りたい商品を狙って売り出していくことができるようになります。
また、場合によっては高額な商品が購入される可能性もありますので、売上アップを考えるのであれば、導入して損はない手法だといえるでしょう。
ユーザーの利便性向上によってECサイトの売上アップが図れる
ECサイトの売上アップのために重要な指標を3つ紹介してきました。
それぞれの指標を最適化していくためには様々な手法があり、どれが効果的かは業種やECサイトの状態によっても異なります。
しかし、「訪問者数・CV率・客単価」の、どの指標でも共通していえるのは、「ユーザーの利便性を向上させるのが大切」だということです。
ECサイトの売上をアップさせるためには、顧客満足度を高めていくことが最も重要であり、顧客目線に立ってECサイトを最適化し続けていかなくてはなりません。
「顧客満足」と「顧客目線」が意識できていなければ、どんな優れた手法を用いても効果は出にくいといえるでしょう。
ECサイトの売上を上げたいなら専門家を起用するのも手
ECサイトの売上をアップさせたいならば、顧客満足・顧客目線を踏まえて運用していくことが大切です。
しかし、実際それらを踏まえて売上アップのための施策に取り組むとしても、どうすればユーザーにとってプラスになるのか、具体的な答えを出すのは中々難しいでしょう。
更に、施策によってはSNSマーケティングの知識が必要だったり、SEOの知識が必要だったりと、専門的なノウハウが必要となる場面も多々あります。
よって、ECサイトの売上アップを図りたいのならば、スポットで専門家を起用するのが最もおすすめです。
ECサイトの専門家を起用するメリットとしては、具体的に以下が挙げられます。
- 自社サイトが「訪問者数・CV率・客単価」のどれを優先して改善すべきかがわかる
- 地道なトライ&エラーを繰り返さずとも、効率よく売上アップが期待できる
- 一緒に仕事をすることで、ECサイトの売上アップのための知識、ノウハウを吸収できる
当サイトではプロの人材を多数紹介しておりますので、ECサイトの売上をアップさせたい担当者の方はぜひご検討ください。
まとめ
今回は、ECサイトの売上をアップさせるための施策を紹介してきました。
ECサイトの売上アップのためには、難しい手法や変わったキャンペーンをおこなうよりも、以下の基本的な部分から見直していくことが大切です。
- 訪問者数
- CV率
- 客単価
自社のECサイトの問題点を踏まえたうえで、これらの中から着手すべき部分を明らかにしていくといいでしょう。
しかし、そもそも自社の問題点を明らかにできていなかったり、訪問者数を改善すべきなのにCV率の改善に取り掛かってしまっていたりすれば、売上アップは遠ざかってしまいます。
よって、もしもECサイトの売上アップのための具体的なノウハウが社内にないようであれば、今一度専門家の起用を考えてみてください。
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