by大村昂太朗
インスタグラムマーケティングのメリットと効果的な運用方法
デジタル化が進んでいる現代では、新しい手段としてSNSを活用しマーケティングを行う企業は多いですよね。その中でも、写真共有SNS「インスタグラム」によるマーケティングを実施する企業が増えてきています。
そもそも「Instagram」は、写真や動画を投稿して世界中の人と共有できるアプリですが、裏を返せば、インスタグラムに広告を出稿するとか、自社アカウントからブランディング確立のために発信をすることで、集客に活用することができる特徴を持っています。
特に、インスタグラムを良く利用する10代から30代の世代向けの、商品やサービスのブランディングに向いていると言えるでしょう。
商品の認知拡大や写真についた商品タグから商品購入が可能なため、販売促進などにも非常に効果的なアプリです。
そこで、自社でもインスタグラムを取り入れてみようかと考えるものの、以下のような疑問が湧いてくる方も多くいらっしゃるでしょう。
「ほかのSNSと比較してどのような効果があるのだろう?」「導入により、どのようなメリットが得られるのだろう?」
このような疑問を解決するため、本記事では以下の3点について解説していきます。
- インスタグラムマーケティングの効果は?
- インスタグラムマーケティングをより効果的にするためのポイント
- インスタグラムマーケティングの効果測定の方法
インスタグラムマーケティングの効果やメリットについて知りたい方は、そのまま読み進めてください。この記事を読むことで、インスタグラムのマーケティングについて詳しく学べるようになります。
目次
インスタグラムマーケティングの効果
インスタグラムの年代別利用率は、2021年の総務省の調査によると、10代が69%、20代で68.1%、30代の55.6%が利用しているメディアという結果が出ています。
インスタグラムのユーザー数は年々増えてきており、2019年時点で国内月間アクティブアカウント数が3,300万を超えており、40代でも「38.7%」と、幅広い年齢層で利用されている事実があります。
この数値で分かるように、SNSアプリとしての利用数値が高くても、もしかしたら企業様によっては、「写真や動画を扱うSNSだから、うちの会社とはあまり相性良くないかもしれない」とお考えの方もいるかもしれません。
確かにインスタグラムマーケティングは、以下のように写真や動画で視覚的に商品をアピールできる業種との相性が良いとされています。
- アパレル
- コスメ
- 食品
特に、NIKEはインスタグラムでのフォロワーが1億人を超えており、インスタグラムマーケティングを成功させている最たる例といえるでしょう。NIKEインスタグラム
しかし、これらと異なる業種でもインスタグラムマーケティングを活用して、売り上げを一気に伸ばした事例は複数あります。
例えば、旅行代理店の株式会社H.I.Sが運用するアカウント「タビジョ」は、フォロワーが約9千万人おり、運用していくにつれて「タビジョを見た」といって来店する顧客が、増加していったという事例があります。
更には、インスタグラムによる売り上げ増加を可視化するために企画された「タビジョツアー」というツアー商品は、H.I.Sの売り上げに大きく貢献しています。タビジョインスタグラム
それ以外にも、最近ではテキストや漫画による投稿も増えてきており、工夫次第で様々な業種での集客が可能となる事実があります。
インスタグラムマーケティングは、運用の方法次第で大きな効果をもたらしますので、「うちの会社とは相性が合わないから使わない」と、インスタグラムをマーケティング手法の候補から外す前に、何か工夫できることはないか考えてみましょう。
他SNSとのマーケティング効果の比較
ここで、気になるのがインスタグラム活用で「従来のSNSマーケティングと比較してどのような効果が得られているのか?」といったことです。
インスタグラムマーケティングの効果・メリットを他の主なSNSと比較してみましょう。
インスタグラム | |||
特徴 | ・シェア機能による拡散力 ・ビジネスパーソン向け |
・リツイートによる拡散力 ・ユーザーと交流しやすい |
・ハッシュタグによる検索機能 |
その上、シェア機能がないことによる拡散力の低さも、「ハッシュタグ」(#)を上手く活用することでカバーすることが可能ですし、インプレッション数はシェア機能があるSNSより少なくとも、ハッシュタグの活用方法次第で他のSNSよりも爆発的にファンを獲得することが可能です。
これは、先ほど紹介したH.I.Sの「#タビジョ」が主な例として挙げられます。
多くの女性が、旅行中の写真を投稿する際に、そのタグを利用するようになったのが、フォロワーの増加の大きなきっかけとなっています。
- 自社のプロダクトは画像や動画に落とし込むことが可能か
- インプレッション数、根強いファンの増加、どちらを重視するか
この2点によって、インスタグラムマーケティングが自社に適しているかを検討してみてください。
効果を左右する要素
インスタグラムマーケティングのフローは以下であり、効果的な運用をするために、それぞれに重要な要素があります。
- 自社製品・サービスをインスタグラムと絡めた場合のコンセプト決め
- コンセプトに沿ったインスタグラマーの選定
- KPIなどの効果測定と改善施策のPDCA
最も重要なのは、1のコンセプト決めの部分です。「ただ映える写真」をアップし続けるだけでは、ユーザーを動かすことは難しいですしここを理解できないことにより、つまずく企業様は多いです。
業務と同じようにインスタグラム活用も、そのコンセプトが決まらないことには成果も出ませんので、インスタグラムマーケティングのディレクターや専門スキルを持った人間を起用されることをおすすめします。
続いては、2のコンセプトに沿ったインスタグラマーを選定するということですが、インスタグラマーを起用するのは、インスタグラマー自身が無理やり販売することではなく、共感を得てファンを動かすのが目的と考えてください。
そのため、商品やサービス(以下、プロダクト)が、該当のインスタグラマーのイメージに合っていないと、ファンからは受け入れられませんので、コンセプトに合ったインスタグラマーを選定することが重要となる点にご注意ください。
3の効果測定も、インスタグラムマーケティングを導入するうえで欠かせないポイントとなります。インスタグラムマーケティング特有のKPIとしては、以下が挙げられます。
- フォロワー数
- いいねなどのエンゲージメント率
- プロダクト関連のハッシュタグ数
このように、通常のWEBマーケティングの効果測定と違う部分も多いので、専門スタッフを起用しないと効果測定に苦戦する可能性があります。
それぞれの要素について、更に詳しく解説していきます。
効果を高めるためのコンセプト決め
ただ映える写真を載せたり、インスタグラマーを起用したりするだけではインスタグラムマーケティングとは言えません。
プロダクトのプロモーションを効果的に行ったり、自社のブランド価値を向上させたりするためには、はじめに全体のコンセプトを考え決めておく必要があります。
ただし、コンセプトと一口に言っても、様々な方法があるため、自社に適した効果的なやり方を考えてみましょう。
- 他のSNSとも連携させ、拡散力を高める
- 店舗とコラボさせる
- インスタグラマー同士でコラボさせる
例えば、EPSONによるスマートキャンバスのアカウントでは、
「あなたの、スマートキャンバスベストグラフィックを教えて!キャンペーン」を開催していました。
これは、「#スマートキャンバス」のタグをつけた投稿の中から、抽選でプレゼントを送るという内容です。
プレゼントを用意することで、ファンに自社製品についての投稿をしてもらい、ファン自身が「プチインフルエンサー」になるプロモーションとなっています。
インスタグラムマーケティングでは、ただ写真を投稿するだけでなく、こうして上手くユーザーを巻き込んでいくなどの工夫が大切です。
そして、そのためにコンセプト決めがカギとなるわけですが、下手なことをしてしまうと炎上騒ぎになどで、ブランド力を低下させたることもありますのでご注意ください。
従いまして、専門の人間を起用することでこうしたリスクを避けつつ、効果的に運用していくためのコンセプトを決定していく方法がおすすめとなります。
インスタグラマーの選定
続いてはインスタグラマーの選定方法についてです。
インスタグラマーとは、Instagramにおいて影響力を持つ人(フォロワーが多い人)のことです。
まず前提として、インスタグラマーには様々なタイプがあり、それぞれによって得られる効果やメリットが異なります。
ここで自社に適したインスタグラマーを選ばないと、適切な潜在顧客へのアプローチが期待できないため、その適切な選定のためのポイントを紹介していきます。
インスタグラマーの規模を決定する
インスタグラマー選定の際に、「フォロワーの多いほうが影響力もある」と考え、数字の多さだけで良し悪しを決めつけてしまうのは危険です。
インスタグラマーの分類をご覧ください。
ナノインフルエンサー | マイクロインフルエンサー | メガインフルエンサー | |
フォロワー数 | やや多い | 多い | とても多い |
フォロワーの関心 | とても高い | 高い | やや高い |
投稿の幅 | とても狭い | 狭い | やや狭い |
おすすめの企業 | 知名度がとても高い | 知名度がやや高い | 知名度が低い |
このように、フォロワーの数が多いとそれだけ興味関心は低くなる傾向にあり、逆にフォロワーの数が少ないとそれだけ密度が濃いファンが多くなる傾向にあります。
その多くの要因は、「投稿のターゲットをどれだけ絞っているか」による所が大きいです。
興味関心の高さ・リーチ数のどちらを優先するかによって選定するインフルエンサーの規模は変化しますが、基本的には企業の知名度で決定することが多いです。
インスタグラマーの属性を確認
該当のインスタグラマーの属性を確認することも大切です。
- 普段の投稿と自社の世界観、コンセプトは一致するか?
- ファンは自社プロダクトのターゲットとして適切そうか?
インスタグラマーのイメージが、プロダクトとマッチしていないとファンは動かず、効果的なプロモーションにはなりません。
また、インスタグラマーのファンが、自社のプロダクトを利用してくれそうかも重要です。インスタグラマーのファンの
- 性別
- 年齢
- 趣味嗜好やライフスタイル
などを可能な限り分析していくことで、適切なインスタグラマーを選定することができるでしょう。
マーケティングの効果測定
最後に、インスタグラムマーケティングの効果測定方法について紹介します。指標となる要素はいくつかありますが、中でも以下の3つは特に重要です。
- フォロワー数
- エンゲージメント
- 関連ハッシュタグ
それぞれの指標について紹介していきます。
フォロワー数
フォロワー数は最もわかりやすい指標。自社の投稿やプロダクトに興味を持ち、潜在顧客から見込み顧客となってくれた人たちです。
商品やサービスにある程度の関心を持ってくれていますし、フォロワーには常に自社の投稿が目に入ります。
つまり、ユーザーは自社の製品に、少しでも興味を持ってくれていることになります。
新商品のプロモーションやキャンペーン情報を、直接ターゲットに届けられるというメリットに繋がります。
インスタグラムに限らず、どのSNSでもフォロワーはいて困ることがありません。拡散のために動いてくれるフォロワーや、自社の投稿を見て商品に興味を持ち、自分のインスタグラムに商品を投稿してくれるという間接的な宣伝も担ってくれるフォロワーなど、フォロワーの存在には様々なメリットがあります。
しかし、ただフォロワーを増やすのではなく、フォロワーとコミュニケーションを行うことも重要です。
Instagramの運用で、閲覧者からアプローチが増えますが、そのために発信するだけでよいとしていますと、フォロワーとのつながりは浅いままです。
たとえば、コメント欄でコミュニケーションを取るだけでも関係性を深めることも可能ですし、その他には商品やサービスに関連するアンケートなどを行い、アンケート結果に沿ったユーザーの分析などを行い、商品やサービスの改善に役立てるなど、フォロワーとのコミュニケーションを図っていくことも重要です。
エンゲージメント
インスタグラムでのエンゲージメントはフォロワーからの反応率を指します。
- いいね数
- コメント数
エンゲージメントは、ブランドイメージの向上やファンの興味関心の高さに大きく影響される指標です。
どんなにフォロワーが多くてもエンゲージメントが低ければ、プロモーション活動は成功しづらいため、「フォロワーの濃さ」を測定するために欠かせない要素といえるでしょう。逆に言うと、フォロワーがものすごく多くなくてもエンゲージメントが高ければ、インスタグラムマーケティングは上手くいっていると判断して構わないと考えと良いでしょう。
関連ハッシュタグ
関連ハッシュタグは、自社のブランドに関連するハッシュタグのことです。
例えば、「#NIKE」「#VOGUE」というタグをつけた投稿の数が多ければ、それだけファンの数がいたり、話題になっていたりすることが伺えます。
特に先ほど触れた「#タビジョ」は、関連ハッシュタグで成功しているプロモーションの代表例。タビジョの関連ハッシュタグの利用状況は以下の通りです。
- 「#タビジョ」1,924,160件
- 「#タビジョと繋がりたい」54,585件
自社での投稿やインスタグラマーの起用で関連ハッシュタグを流行らせていけば、ネズミ算式にタグの利用者の増加が期待できます。
シェア機能がなく拡散力が低いインスタグラムだからこそ、関連ハッシュタグによる測定は重要な意味を持つのです。
逆効果にならないための注意点
ここまで、インスタグラムマーケティングを効果的に運用するためのポイントについて紹介してきました。
しかし、やり方次第では以下のようなリスクがあるのも事実。
- 結果を出せずに予算が無駄となる
- 炎上騒ぎ
- ブランドイメージの低下
インスタグラムマーケティングを導入するなら、安全かつ効果的に運用したいところです。逆効果にならないための注意点を紹介していきます。
投稿する写真の世界観を統一する
ファンが付きづらかったり、ブランドイメージを低下させたりしてしまうアカウントの特徴として、「世界観がバラバラ」というモノがあります。
例えば、「自社のシューズやコーディネートの写真」を投稿し続けているアカウントが、
- 綺麗な景色の写真
- 映える食事の写真
などの写真をあげてしまうと、ファンは「なんのアカウントなのだろう」と困惑します。
「ただ、映える写真」や「話題になりそうな投稿」をしても浅い反応しか得られませんので、コンセプトに則って一定の世界観を演出し続けることが、根強いファンの獲得に繋がっていきます。
コンテンツ品質を確認して投稿
企業がSNS運用するうえで避けたいのが、以下のような誤った投稿をしてしまうこと。
- 全く関係のない投稿をしてしまう
- 写真やキャプションの質が低い
- ハッシュタグが不十分
質の低い投稿をしないように注意するのはもちろんですし、商品やサービスと全く関係のない内容は特に炎上の原因となります。
不特定多数の目に触れるわけですので、きちんと品質を担保できるような管理体制を整えることが大切です。
専門家を起用する
結局どんなに注意しても、専門的な知識がなければ難易度は高くなります。付け焼刃の運用では限界がありますし、知らず知らずのうちに失敗を冒してしまう可能性もでてきます。
よって、運用に際して不安がある場合や確実に効果的な運用をしていきたい場合は、インスタグラムマーケティングの専門家を起用することをおすすめします。
中途半端な予算をかけて中途半端な結果を得るよりも、きちんとした体制を整え、堅実に成果に繋げていく方が企業にとってのメリットに繋がるはずです。
まとめ
インスタグラムマーケティングの効果について紹介してきました。
インスタグラムは写真や動画などのコンテンツを扱う上では最適なSNSであり、プロダクトとの相性次第では非常におすすめできるマーケティング方法です。
しかし、効果的に運用していくためには気をつけるべきポイントが多く、付け焼刃の担当者では苦戦する可能性が高いです。
- インスタグラムマーケティングのコンセプト決め
- コンセプトに合ったインスタグラマーの起用
- 効果測定しながらのディレクション
特にこの3点は、インスタグラムマーケティングで効果を出すために欠かせない要素です。
もし「導入したいが、効果的に運用できるかわからない」という不安を抱えているとすれば、ぜひ当サイトで専門家を起用してみてください。
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