by大村昂太朗
リファラルマーケティングとは?実際の施策実行の順序から成功・失敗事例も紹介

今、注目されているリファラルマーケティング。
このリファラルマーケティングは、日本よりマーケティングが何年も先に進んでいるアメリカで積極的に取り入れられている手法です。
このリファラルマーケティングでは、SNSを中心にたくさん拡散され、ファンが増えるといった成功事例が多数あがっています。
本記事では、そもそもリファラルマーケティングとは何で、メリットは何なのか?
そして、スターバックスの成功事例やマクドナルドの炎上した失敗事例なども交えてご紹介します。
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目次
リファラルマーケティングとは
「リファラルマーケティング」とは、口コミや知人の紹介により商品の購入、会員登録や資料請求などを促すマーケティング手法です。
すでに商品を愛用している顧客からオススメという形で友人知人へと商品を紹介してもらい、紹介した側、された側それぞれに報酬が与えられるのが一般的な形です。
リファラルマーケティングは、信頼できる知り合いからのオススメという形をとることで、初めて商品に触れる人物からの信頼度をアップさせ、報酬により双方に満足感を感じてもらう方法です。
なぜ今リファラルマーケティングなのか?
なぜ、今リファラルマーケティングなのでしょうか?
それには従来型のマーケティング手法の問題が深く関わってきてます。従来型のインターネット広告では、自社のいいところばかりを宣伝していて、悪いところが目に入りません。その上、検索を見てもいい内容しか載っていなくて、信頼されなくなりました。
株式会社サイバーバスが行った調査では、情報収集の手段として約9割がインターネット検索を頻繁に使っているのにも関わらず、そのうちの87%が情報に不信感を持っています。
このような背景から、消費者が口コミを信頼するようになったために、企業が口コミを利用して購買行動を起こすリファラルマーケティングに注目が集まってきているのです。
参照:CYBERBUZZ
リファラルマーケティングのメリット
なぜ今リファラルマーケティングなのか?を押さえたところで、次に、リファラルマーケティングのメリットについて見てみましょう。
購入確率が上がる
初めての商品を購入するとき、レビューをチェックすることはありませんか?
商品の基本情報や宣伝文句だけでは使い心地や壊れにくさが分からないため、レビューのない商品を購入するのにためらいを感じる消費者がいます。
リファラルマーケティングは、友人知人からの紹介であるため、「知り合いがオススメするなら」という安心感が生まれます。
紹介された側は、知り合いへの信頼感から、商品に対しても前向きな気持ちが働きやすいと言われています。紹介された新しい顧客は、同じような製品であれば、リファラルマーケティングされた方を選択する傾向があります。
プロモーション費用の削減になる
今までの広告は、企業が経費を払って宣伝する形でしたが、リファラルマーケティングは、商品の利用者が企業に代わって宣伝する効果を持つため、自社で広告料を払ってマーケティングする必要がありません。
実際に使用した顧客が新たな顧客を呼び込むためのサポートをする必要はありますが、従来の広告費用に比べてコストダウンが期待されます。
商品の魅力を多くの人に知ってもらえる
商品についての口コミがリファラルマーケティングの要です。
本当に良い商品であれば、顧客目線での商品のメリットについてさまざまな口コミがウェブ上に書き込まれることになります。
人と人が直接会話する口コミは従来からありましたが、インターネット上、SNS上では口コミの拡散が非常に早く、1つの情報がより多くの人の目にとまる可能性があります。
楽しんで参加できるキャンペーンを開催することにより、リファラルマーケティングには「バズ」を利用した商品の広告効果が期待できます。
リファラルマーケティングを行う上での注意点
ここまでメリットを見てきましたが、逆に、リファラルマーケティングを行う際に注意しなければいけないこともあります。マーケティングを成功させるために、注意点もしっかり押さえておきましょう。
口コミはコントロールできないし、してはいけない
口コミは企業側でコントロールできません。2012年のマクドナルドがTwitter上で行った「#McDStories」キャンペーンは、悪い口コミにより炎上しました。
マクドナルドが顧客とコミュニケーションをとろうと用意したこのハッシュタグ。「マクドナルドにまつわるストーリー」という曖昧なお題から、商品や接客に対するクレームの書き込みが大量に投稿されてしまいました。
悪い口コミを削除するように動けば隠蔽体質を批判されますし、良い口コミだけを集めようとすると、「ステルスマーケティング」になってしまいます。生の声である口コミは企業側からはコントロールできませんし、してはいけないのです。
「#McDStories」キャンペーンのように炎上しないためには、商品自体の魅力を高めることはもちろん、商品への顧客の思いをしっかりとリサーチし、「ハッシュタグを付けて投稿で」「リツイートの中から抽選で」など、参加方法を明確に決めておくことが大切です。
※ステルスマーケティングとは、広告である事を隠したり、あたかも口コミであるかのように誤解させる宣伝のこと。
広告とリファラルマーケティングを混同しない
インフルエンサーによるマーケティングとリファラルマーケティングを同じタイミングで展開することで、さらに早い情報の拡散が期待できます。
しかし、注意しておかなければいけないのは、しっかりとその2つを区別することです。インフルエンサーに依頼した広告の書き込みが、口コミのように誤認される場合、広告であることが見る人にはっきりと明記されていない「ステマ記事」であると、読む人に受け止められる危険性があります。
ステルスマーケティングは、読む人がだまされたと感じ、商品や企業、紹介した人物に対して大きな不信感を抱くたいへん危険な行為です。
リファラルマーケティングをする場合には、ステマとのはっきりした区別を付けるようにしましょう。
具体的には、インフルエンサーや愛用者に対して、金銭の提供や投稿の強制は行わず、商品やサービス、キャンペーンの魅力についての案内をするにとどめるという方法があります。
商品に対して本当に魅力があると感じた人が自発的にリファラルマーケティングをしてもらえるように情報を提供するのが良いでしょう。
十分な顧客の調査が必要
リファラルマーケティングにおいて、プロモーションが的外れであった場合、拡散しない、または批判の対象となる場合があります。
リファラルマーケティングを行うときには、しっかりとした顧客のリサーチが必要です。顧客が知り合いにこの商品をオススメしたいと思うポイントはどこなのか。
どんな報酬があれば顧客は喜んでくれるのかしっかり把握し、商品の「良い部分」を活かしたマーケティングをしましょう。
リファラルマーケティングを行う方法・順序
リファラルマーケティングを実際に行う際の方法や順序についてお伝えいたします。
口コミを利用するリファラルマーケティングは、サービスや商品の種類を問わず、どんなものにでも応用ができます。そのため、商品をどのようにアピールしていけばリファラルマーケティングが成功するのかもさまざまです。
ここでは、広く使われているリファラルマーケティングの手法をご紹介いたします。
商品の選定と魅力のポイントを探る
まずは、リファラルマーケティングしたい商品について、今愛用している顧客はどんな部分に魅力を感じているのか、知り合いに紹介したいと感じているのかを確認する必要があります。
直接、愛用者にアンケートをとるなど、顧客が友人に、商品のどんなところを紹介したいと感じるのかを調査します。
ステッカーやTシャツなどファンが喜ぶグッズを作る
喫茶店で作業をしている人や、同僚の持っているパソコンにステッカーが貼ってあるのを見たことはありませんか?
サービスのファンであることをアピールしたい層、ユニークなステッカーやTシャツで自己主張を楽しみたい層が顧客にあると判断できた場合、このような手に取れるファングッズもリファラルマーケティングに効果的です。
ステッカーやTシャツ自体が動く広告塔となってくれます。パソコンに貼ってあるステッカーから話題が広がり口コミにつながる可能性もあります。
この場合も顧客がどのようなデザインを好むのかしっかりとしたリサーチが必要です。
紹介しやすいキャンペーンを作る
紹介者もお客様ですので、入力やボタンクリックの多い煩雑な行動を嫌います。ハッシュタグを付けるだけ、リツイートするだけといった、ハードルの低いキャンペーンが好まれます。
キャンペーンの開催を知ってもらうために、目立つ場所に告知をするのも良い方法です。リファラルマーケティングは紹介者にも報酬が与えられるため、目立つように告知をして沢山広めてもらえるようにします。
紹介者に報酬を与える
紹介者、さらには紹介された側にも、報酬を与えるのがリファラルマーケティングのやり方です。一般的には、サイト内で使用できるクーポンを、紹介者と紹介された側の両方に同じ金額発行するという方法があります。
Dropboxは、紹介された人がアカウントを作成した場合、250MBの容量を追加するというキャンペーンをして大成功を収めました。
愛用者が容量不足に悩んでいるというニーズを汲み取れたからこその成功と言えるでしょう。
再度口コミしてもらえるよう呼びかける
一度リファラルマーケティングを実行してもらえた顧客には、一定の時間をおいてメールを送信したり、マイページでお知らせするなど、再度キャンペーンの呼びかけをしてみるのも効果的です。
すでに一度やったことなので顧客の心理的なハードルは下がっていますし、さらに報酬を受け取れる権利があることを知らせ、前向きに口コミに参加してもらえるよう促すことで、継続的な関係を築くこともできます
。
リファラルマーケティングの実例
実際に、どんな形でリファラルマーケティングが行われているのでしょうか。上で紹介した手法を使用して成功した例をご紹介いたします。
スターバックス:SNSを使ったキャンペーン
スターバックスのリファラルマーケティング成功例「Send Your Thanksキャンペーン」では、コンビニで販売しているスターバックス商品の写真をSNSにアップすると、抽選でドリンク引換券があたるキャンペーンです。
スターバックスのドリンクは、キャンペーン以前からInstagramなどで写真を投稿するのがオシャレなものとして認知されていました。
さらに商品がドリンクなので、顧客は繰り返し商品を購入していると推測されます。報酬としてドリンクの引換券があたる方法も、顧客のニーズにマッチしていました。
このように、顧客は商品のどんな部分に喜びを感じ、人に伝えたいと思うのか、どんな報酬を魅力的だと感じるのかをしっかり把握する必要があります。
airbnb:割引クポーンを使ったリファラルマーケティング
登録者が民泊を貸し借りできるサービスを提供するairbnb。
紹介した顧客と、口コミによって新しく登録した顧客の両方に、airbnbで使用できる割引クーポンを配布したところ、2008年創業のAirbnbは2015年に1,700万人の利用者を獲得しました。
同時に、既にユーザーになっている顧客に向けて、商品をオススメしたいかどうかを10段階で評価して貰うアンケートを実施。どうしたら紹介が増えるのか分析を行いました。
さらに、リファラルマーケティングと同じタイミングで、影響力のあるインフルエンサーへ広告を依頼したことで相乗効果がみられました。
参照:インスタラボ SELECK Airbnb Engineering & Data Science
Evernote:イケてるステッカーの配布
ネットの情報をクリッピングしたり、ノートを取って共有するなどさまざまなノートサービスを展開しているEvernoteもリファラルマーケティングで顧客獲得に成功しました。
Evernoteはロゴと「I’m not being rude. I’m taking notes in Evernote.」(私は失礼な態度を取っているわけではありません。Evernoteで会議の記録を取っているのです。)と書かれたステッカーを顧客に配布しました。
これは、シンプルでオシャレなデザインと、「パソコンを開いていると人の話を聞いていないように思われる」という顧客の不満を解消する文章がニーズにマッチして沢山の人がノートパソコンに貼り、Evernoteの機能を紹介する広告として機能しました。
参照:グロースハックジャパン
まとめ
リファラルマーケティングとは、口コミを利用したマーケティングです。
知人からの紹介により商品への安心感と信頼感を獲得でき、紹介者とその友人はともにお得な特典を得ることができます。
ステルスマーケティングと混同されないように分かりやすいルールで運用することと、顧客のニーズを踏まえることが成功の鍵です。
そして何よりも、人々が自発的に、誰かに紹介したいと思うような魅力的な商品を提供することが一番大切なポイントです。
商品の認知度を高め、皆に愛用されるために、リファラルマーケティングは効果的な手法と言えるでしょう。
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