by大村昂太朗
【副業女子インタビュー】パラレルワーカー境野今日子さん「やりたいことがあるなら、まずはまわりに言ってみる!」
本業で人事のお仕事に従事するかたわら、2つの副業を持つ境野今日子さんは、副業をはじめるには「まずはまわりに言ってみる」ことが大切だといいます。
以前は副業禁止の会社に勤めていたため、副業ができなかったという境野さん。どのようにして現在の働き方を確立していったのでしょうか。
これから副業を始めたい女子の皆さんへの応援メッセージとあわせて、女性の副業のリアルを語っていただきました!
<この記事は「副業女子」インタビュー企画です>
人事/キャリアコンサルタント/ライター 境野今日子さん
ベンチャー企業で人事として勤務するかたわら、副業でキャリアコンサルタントとライター、計3職種をこなすパラレルワーカー。
Twitterでは、女性目線ならではの意見などを率直につぶやいており、フォロワー数は16,000人以上(2020年3月23日時点)。
境野今日子さんTwitterはこちら
ボランティアから副業へ
まずは、境野さんの本業のお仕事について教えてください。
境野さん:ベンチャー企業で人事担当をしています。小さい会社なので、人事だけじゃなく総務や営業もお手伝いしていて、外回りにも行っています。
幅広いんですね!副業ではどんなお仕事をされていますか?
境野さん:2つあって、1つは主に新卒の就活支援サービスをしている会社のキャリアコンサルタントをしています。学生さんのキャリア支援として、キャリアカウンセリングやES添削などをやらせていただいています。
もう1つはライター業で、web媒体などで記事を書くお仕事ですね。
副業といいつつ、もはやパラレルワーカーですね。境野さんが副業をはじめたきっかけはなんですか?
境野さん:前の会社にいたときに、もともとボランティアをしていました。
土日のイベントにちょっとスタッフとして行く程度でしたが、そのうち収入をいただけるという話になったので、副業にしてもいいか会社に確認をしたところ、会社のルールとしてはOKだけど上司がNGなパターンでした。
そうだったんですか。あるあるですね。
境野さん:そんなときに、ちょうど現職の会社からお話があって、副業がOKなのと、同じ人事職で業務内容は変わらなかったので、迷わず転職することにしました。
それはもはや副業ありきという感じですね。
境野さん:そうじゃないと、せっかくいただいたチャンスがもったいないなと思って。ちょうど本業で入る会社も人事職ってことで、内容自体は変わんなかったっていうのが結構大きかったですね。
ボランティアから始まった副業先の企業さんとは、どうやって知り合ったんですか?
境野さん:キャリアコンサルタントっていう国家資格を取ったんですけど、せっかく一生懸命勉強したのに、受かったあと機会がなかったら永遠にカウンセリング業務をやらなくなるので、スキルが落ちちゃうんですよね。
無給でもいいからスキルを維持するか伸ばしたいという想いがあって、ボランティアで入らせていただけませんかって直接お願いしました。
自分からお願いするって、とても行動的ですね!そのアプローチした会社さんは、もともと知り合いだったんですか?
境野さん:いや、全く知らない会社でした。以前からキャリアコンサルタントとして何かしたいっていうのを友人に言ってたんですよ。
そうしたら友人が「もしかしたらこの会社だったら興味あるって言うかも」といって紹介してくれて、繋いでもらいました。
なるほど。言ってみるものですね!
境野さん:言ったほうがいいと思いますね、なんでも。特に副業なんて単価5,000円とか10,000円とかもあるじゃないですか。
会社側も、それぐらいだったら人を雇うよりもハードルが低いので腰を上げてくれやすいと思うので、これやりたい、あれやりたいって言っていると、わりとやりたい人を求めている側の人が現れたりするので、ワーワー言ったほうがいいと思いますね。
部署の経費としてポンと出せる場合も多々あるので、可能性はありますよね。
本業と副業の組み合わせは時間割に似ている
副業を始めて変わったことはなにかありますか?
境野さん:出世とか気にしなくなりましたね。例えば、次の評価でAを取りたいとか、課せられたものに対して応えたいところがあったんですけど、今はそれよりも自分の納得感をすごく重視するようになりました。
具体的には、どんなことですか?
境野さん:「人から評価されたい」って思っていたのが、「まずは自分が今の仕事ぶりを評価できるようになりたい」という感じです。
自分の中でしたいことが、枠を取っ払ったからこそなんでもできちゃうっていうのも面白くて。大企業一筋の時って、人事部採用担当として採用業務しかできなくて、そのなかでどうするかの話だったんです。
でも今はそういうのが全くない世界だから、採用をやりたければ採用をやっていいし、書く仕事がしたかったら書いていいし、無限だなって思いましたね。
それはとても大きな変化ですね。これまで境野さんが副業をやってきて、一番良かったことって何ですか?
境野さん:いろんな人を知れることですね。私はベンチャーでテック系なんですけど、副業を通してライター業界の人とか、新卒ビジネスの業界の人とか、全然分野が違う人を見れる面白さはすごいありますね。
全然違う人それぞれから吸収することによって、ご自身の世界も広がりますよね。
境野さん:すごい広がりますね。前一社で務めていた時は、もうその会社の人たちが自分の世界の全てになっちゃってるところがあって、会社行きたくないなとかって思ってたんです。
それがいろんな人がごちゃ混ぜに入り乱れてる今の世界があるので、そんなに苦じゃなくなるというか、自分が何かやったことに対して、否定的な人もいれば、「それ、いいんじゃない!」って肯定してくれる人もいたりとか。
自分の中での多様な世界観がどんどんできてくるんですよね。あんな人もいるな、こんな人もいるな、って。
世界の広さを知れることって面白いですよね。逆に副業で辛かったことって何かありましたか?
境野さん:ないですね。もし小学校が、1年生で国語を習って、2年生で算数、3年生で理科を習う仕組みだとしたら、6年生になった頃に国語のことは絶対覚えていないと思います。
仕事も結構そうだと思ってて、最初は営業3年やってました、次に人事3年、次に企画ってなると、最初の営業を覚えてますかってなるじゃないですか。
もちろん覚えてないですよね。
境野さん:それにビジネスって速いので、覚えてたとしてもその自分の持ってるノウハウが今活きるのかってなると難しいところがあって。本業と副業を組み合わせるのって、ある意味時間割と同じだと思ってるんです。
境野さん:例えば、1年生の時間割って、国語も算数もってごちゃまぜじゃないですか。並行していろんなことを学ぶことによって、常に最新のものがいろんな分野で学べると思うんですよ。
だから6年生になった時に、国語の最新情報も、算数の最新情報もみんな分かってるじゃないですか。それと職業は似ていて、私も今、書く仕事・人事・キャリアコンサルタントをやっていて、どれも落としたくないスキルなんですよね。
だからこそ、同時並行でやることに意味があるなって感じていて、キャリアアップの面でもメリットしかないかなと思います。
なるほど!面白い例えでとても分かりやすいですね!
金額の線引きはしっかり決めること
複数の業務を掛け持ちしていると働き過ぎになる人が多いですが、境野さんは3つもお仕事を掛け持ちしていて大丈夫ですか?
境野さん:ちょっと見方を変えればいいだけかなと思っています。例えば、趣味でブログを書いている人って、それを副業にしちゃえば自分の遊びの時間が勤務時間になりますよね。
それと同じ感覚です。私はブログはやっていないですが、文を書くこと自体は結構好きで、それを仕事にしているだけなので嫌々やってる仕事って感じじゃないんですよね。
好きなことを仕事にできたらベストですよね。好きなことから楽しんで始めてみるというのは、副業の1つのポイントになると思いますか?
境野さん:仕事以外でも、なんでもそうだと思います。気乗りしないものはやめたほうがいいです。結構「○○さんに申し訳ないから」というような理由で断れない人って、嫌々でも頑張ってやっちゃったりとかしますよね。
でも、それによってお互いに幸せじゃないですし、だったら積極的にやりたい方と契約されるんじゃないかと思います。だから、自分の気持ちを第一に考えたらいいと思いますね。
面白そうだと思ったものに、自分からやりたいですって言っていく。
面白いと思ってるものって、皆さんきっと何かしらありますよね。そこをどうやってマネタイズするのかが大きいハードルだと思いますが、その乗り越え方について境野さんだったらどうアドバイスをしますか?
境野さん:本業の安定的な収入があれば、副業が取れなくても生活できないわけじゃないですよね、っていう前提に基づいて考えれば、自分が欲しい金額を言ってしまえばいいと思います。
そこで企業側が「え、もうちょっと安くならないの?」と言ってきたら、もうお断りしちゃう。
それで「自分のこの業務はそんなに価値が低いものじゃない」って思っているのであれば、自信を持っていろんな企業に自分の希望する報酬を提案してみるべきだと思いますね。
そこで下げちゃうと、安価で「これもお願い。あれもお願い」ってどんどんきてしまって、だんだんハードになっちゃうと思いますね。もちろん、私が最初にやったみたいに、スキルや経験を積むためならボランティアでもいいと思っているならそれでもいいと思います。シンプルに、自分がその業務に対していくらならできるのか、ですね。
なるほど。本業があるからこそ、好きなように金額設定しやすいですよね。
境野さん:金額の線引きは超大事ですね。私も「ちょっとその金額だと」っていう時にはしっかりお断りしています。たまにですけど、そうしてやっていかないとハードワークになっちゃうと思います。線引きをしっかり自分で決めることですね。
線引きを決める。とても大事なことですね!
まずはまわりの人に言ってみる
副業をこれからやろうとしている皆さんに、境野さんのご経験を踏まえてアドバイスなどありますか?
境野さん:ちょっとでもしたいことがあるなら、すぐにまわりに言うっていうだけですね。とにかくそれだけです。
境野さんが最初に経験したようにですね。
境野さん:SNSでもいいし、飲んでる時でもいいし、とにかくちょっとでもしたいと思うことを誰かに言ってみる。そうしたら意外と「探してる人いるかも」とか言われるんですよね。
それが副業の第一歩だと思うので、ネットで自分がしたい仕事を検索して1件も出てこなくても諦めちゃダメですね。お金をかけて求人を出した企業しか上がってこないので、そうじゃなくて意外と身近にあるんです。
「ちょうどうちで募集してるよ!」みたいなこともあるかもしれませんよね。
境野さん:もしちょっと良い話が入ってきて、やるか迷っている段階の人は、ボランティアで始めてみてほしいですね。
それで、その会社が合うかどうかの空気感とか、スケジュール管理の部分とかを確認してみてください。最後は決意して、お金が欲しいと思ったら値段を下げずにちゃんと交渉する。この3つのステップだと思います。
境野さん、とても興味深いお話ありがとうございました!始めたいけど何をしていいのかわからない方は参考になったのではないでしょうか。今後のご活躍を応援しております!
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