by大村昂太朗
BtoBマーケティングの市場規模・推移と今後のトレンドまとめ
企業と企業との取引であるBtoB(Business to Business)取引は、私たち消費者の目に触れない商品やサービスを取り扱うことが多くあります。そのため、その取引に従事していない一般の方の視点からは、市場規模のイメージがわきにくい面もありますが、実は日本で行われる取引の大半は、BtoB取引であると言われています。
近年、マーケティングオートメーション(以下、「MA」)というマーケティングのデジタル化・効率化が進んでおり、これによりBtoB取引市場はさらに発展すると考えられています。この記事では、MAがもたらすBtoB市場の変化について解説します。
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目次
BtoBマーケティングの市場とは
BtoB取引は、購買者が個人ではなく法人であることから、取引における購入量や商品単価ともに、一般的にBtoC(Business to Customer)取引よりも数量は多く高額になります。
BtoCのケースでは、日常的に利用する金額は1回あたり数千円~数万円程度、ときには自動車や不動産といった高額金額の取引もありますが、さほど頻度は高くありません。
一方、BtoBのケースでは、1回あたりの取引額が数千万円から数億円にもなることも多々あるのが実情です。
必然的に、BtoBの市場規模大きくなり、BtoCの市場規模と比べると格段にスケールが大きいと言えるでしょう。
BtoBマーケティングの市場規模
独立系ITコンサルティング調査会社の株式会社アイ・ティ・アールによると、BtoBマーケティング支援市場の規模は2026年度予測で210億円。対してBtoCは、152億円の予測になっています。
市場規模は、2019年時点ではBtoCに比べて、BtoBは半分程度の金額でしたが、現在ではBtoBの市場規模は非常に大きく成長していくと言えるでしょう。
そのため、この市場における顧客のニーズをとらえるマーケティング活動は、日本経済に与える影響が非常に大きいと言えます。
出典:「ITRが統合型マーケティング支援市場のBtoB、BtoC別の市場規模推移および予測を発表」
BtoBマーケティングの今後の市場推移
現在BtoB取引市場は、大きな変革期を迎えています。
具体的には、これまでの対面営業やリアルの店舗での売買から、インターネットを通じた売買にシフトしつつあります。このことを、<Eコマース化>といいます。
そして、2020年からの新型コロナウイルスの影響で、この流れは一層加速していきました。多くの企業がリモートワークの導入を余儀なくされたことで、対面営業での販売手法がとりにくくなり、顧客へアプローチする方法もインターネットを通しての活動対応を迫られたのです。
経産省の「令和3年度電子商取引に関する市場調査の結果」によりますと、BtoBのEコマース市場は約372.7兆円にものぼり、Eコマース化率は35.6%となっています。スマホの普及やテクノロジーの進化で、ますますこのトレンドは進んでいくことが予測できます。
Eコマースが盛んになるにつれ、グローバル取引がより簡単になるため、従来の日本の企業がとってきた足を使ったマーケティング方法では、取引スピードに追いつけなくなってきました。
そこで、デジタルマーケティングとよばれる、インターネットやデジタルツールを活用したマーケティング手法が出現するようになったという経緯があります。
こうしたデジタルマーケティングの中でも、MAとよばれるツールを駆使したマーケティング方法では、数多く存在する見込顧客や既存の顧客を一元管理し、取引につながる可能性を自動で評価し、発注獲得のためのシナリオ設計、実行がなされます。
MAはあくまでツールですので、使いこなす人間のスキルや能力が必要となりますが、MAの導入により、BtoBマーケティング市場の拡大はさらに加速化することが予測されます。
BtoBマーケティングオートメーション(MA)市場の規模と推移
日本のデジタルマーケティングの市場規模は、現在成長を続けています。
市場規模としては、ITサービス、ビジネスサービスを合わせて2020年には4300億円、2025年には6100億円を超えると予測されていますが、このようなデジタルマーケティング市場の急成長に一役かっているのがMAです。
(参考資料:IDC「国内デジタルマーケティング関連サービス市場」分析資料)
MAをはじめマーケティング支援を行っているシャノン社の調査によれば、2017年の調査で、MAを導入したBtoB企業の50%以上が、導入により自社のマーケティングに何かしら改善が実感できたと答えているようです。
出典:【株式会社シャノン BtoBマーケティングに関するアンケート調査実施】マーケティングオートメーション導入企業の6割が効果を実感。活用の本格化はこれから
日本のマーケティングオートメーション(MA)市場
これまでの日本におけるBtoB取引では、得意顧客を抱え込み御用聞きのようなスタイルで営業して回るとか、取引のない企業への飛び込み営業やテレアポをかけるなど、足で営業先をまわって挨拶まわりをするような形のマーケティングが主流でした。
しかし、現在は上述のようにインターネットの普及やEコマース化により、クライアント側も購買プロセスとして、まずはオンライン検索をして商品を比較検討することが当たり前のように行われています。
そのような見込み顧客の購買行動の変化に対応するため、2014年ごろからMAを導入しはじめる企業が増えてきました。矢野経済研究所が2021年に発表した「DMP/MA市場に関する調査」によると、MA市場は2023年に700億を超えると予測されています。
MAは元々アメリカが発祥のため、ツールもアメリカのベンダーのものが利用されていましたが、近年、日本でのMA市場の成長を受け、日本人のユーザビリティを考慮したMAツールの開発も進んでおり、国内で開発された国産MAツールもリリースされるようになってきました。
このような背景のもと、今後も大手・中小企業を問わず、MAツールを活用する企業は増えていくことでしょう。
世界のマーケティングオートメーション(MA)市場
マーケティングオートメーションは、日本市場では近年特に注目されはじめてきましたが、特にアメリカではいちはやく2000年代前半には、BtoB企業の注目を集め始めました。
合理的な仕組みを愛するアメリカらしく、マーケティングオートメーションは、それ以降次々と企業への導入が進みました。
アメリカでのBtoBマーケティングオートメーションの市場規模は、2009年にはおよそ1億ドルでしたが、2017年には33倍となるおよそ33億ドルにまでなりました。
アメリカのみならず、ヨーロッパや中国などでも普及が進んでおり、世界のマーケティングオートメーションの規模は、2017年におよそ114億ドル、2023年にはおよそ251億ドル、日本円にしておよそ2兆8千億円にまで拡大することが予想されています。
BtoBマーケティング市場の今後
MAをはじめデジタルマーケティングの発展は、BtoBの市場を大きく変えようとしています。上述のように、顧客の購買プロセスの第一歩が、インターネットにシフトしてきている現在、昔と違い商品のことを知るには営業担当者と会わなくとも、情報が簡単に手に入ってしまいます。
そのため、現在のBtoBビジネスにおいては、個別企業の営業担当にいちいちコンタクトするよりも、まずはネット検索を行い情報の収集をしてから、購入候補を絞り込こんでいくのがビジネスのスタートとして一般的になってきつつあります。
また、現在ではインターネットやモバイルデバイスの発達によって、対面での営業活動が重視されなくなっている現実もあります。
そのため、企業もこの購買行動に合わせて、インターネットで必要な情報を必要なタイミングで提供していく必要があります。
しかし、すべてのマーケティングプロセスがデジタル化されるわけではなく、見込み客の中でも真剣に購入を考えている見込み客については、適切な段階でより詳しく、よりその企業のニーズにあった情報をインプットしていく必要があります。例えば、セミナーの開催や営業担当者との打ち合わせなどがその活動となります。
このプロセスでは、従来どおりマーケティング担当者や営業担当者の対人ソフトスキルが必要になると言えるでしょう。
MAの導入により、もたらされるBtoB市場の変化とは、これまでの営業手法に加え、一部のプロセスについてインターネットの力を借りることで、より高いパフォーマンスが狙えるという点なのです。こうした掛け算効果により、BtoBマーケティング市場は、今後ますます拡大が期待されます。
また、現在はMA導入には大規模な設備は必要なく、クラウドツールなどを導入することで、中小企業もBtoBビジネスに参入しやすくなっています。こうした点も、BtoB市場の成長を後押しするポイントの一つになっていると言えます。
BtoBマーケティング市場のまとめ
いかがでしたでしょうか。BtoB市場の購買プロセスの一部は、インターネット上での情報収集にシフトしつつあります。それに対応して、MAをはじめとしたインターネットを活用したマーケティング方法は成長を続けています。
BtoB市場は、MAの導入などデジタル化により、この市場はさらに拡大していくことが期待できます。
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