by大村昂太朗
リモートワークとテレワークの違いとは。雇用型と自営型の違いも紹介。
働き方改革の政策が着々と推し進められる現在、ワークライフバランスを実現させるために多様な働き方が生まれてきています。
その代表的な例として挙げられるのが、リモートワーク・テレワークなどの、場所や時間にとらわれない新しい働き方です。
リモートワークやテレワークを取り入れると、働き手としてさまざまなメリットを得ることができます。
しかし、「リモートワーク」「テレワーク」は似たような言葉であることから以下のような疑問を持つ方もいるでしょう。
- リモートワークとテレワークの違いってなんだろう?
- それぞれどういった場面で使う言葉なんだろう?
本記事では、このような疑問に対しての答えを詳しく紹介していきます。
リモートワークとテレワークの違いや、それぞれの言葉の使い分け方法を知りたい方は、ぜひこのまま読み進めてください。
目次
リモートワークとテレワークの違い
結論から言えば、リモートワークのテレワークの主要な違いは、定義が定められているかです。
テレワークは日本テレワーク協会などによりきちんと定義づけされているのに対して、リモートワークは明確な定義が決められておらず、遠隔での業務全般が該当します。
テレワークとリモートワークの違いを表にまとめると、以下のようになります。
テレワーク | リモートワーク | |
使う人 | 自治体、省庁や大企業 | IT企業やフリーランス |
語源 |
tele(遠く)+work(働く) |
remote(遠く)+work(働く) |
定義 | 情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方 | 特に決められていない |
生まれた時期 |
1970年代 |
不明 |
テレワークは1970年から使用されている歴史が長い言葉でもあります。
省庁や自治体などでの表記は「テレワーク」で統一されています。
「日本テレワーク協会」という団体が存在していることもあり、テレワークの方が公式かつ正式な言葉であると考えられるでしょう。
しかし、テレワークもリモートワークも、オンラインで遠隔業務を行うという意味では実態にほとんど違いはありません。
そのため、そこまで違いに敏感になる必要はないので、相手や場面によって気持ち使い分けるのがベターでしょう。
テレワークとリモートの違いを比較
リモートワークという言葉は発祥が明らかになっておらず、自然と使われるようになった言葉です。
ですから遠隔で働くこと全般に対しては幅広く使用できる言葉です。
しかし、テレワークに関しては日本テレワーク協会によって明確に定義づけされており、使い方によっては間違いとされる場面が出てくる可能性があります。
この章では日本テレワーク協会を参考にしながらテレワークの定義について紹介していきます。
ぜひ参考にしてください。
テレワークは定義が決まっている
まず、日本テレワーク協会によって定義されているテレワークの形態は以下の3通りです。
テレワークの形態 | 場所 |
自宅利用型テレワーク | ・自宅 |
モバイルワーク |
・移動中 ・取引先のオフィス |
施設利用型テレワーク |
・サテライトオフィス ・シェアオフィス |
テレワークは時間に関しての縛りはなく、業務をおこなう場所によって呼称が変わります。
一方で、リモートワークは場所によって呼び方が変わったりすることはありません。
なので上記の定義はテレワークでありながらリモートワークにも該当するといえます。
この違いはぜひ押さえておきたいところです。
それでは、次項ではテレワークの形態3種についてそれぞれ紹介していきます。
自宅利用型テレワーク(在宅勤務)
場所:自宅
自宅で業務に取り掛かる場合は「自宅利用型テレワーク(在宅勤務)」に該当します。
主に介護や育児などで自宅にいなくてはならない方や、障害などで通勤が困難な方がおこなうものです。「在宅ワーク」という言葉が使われる事もあります。
モバイルワーク
場所:顧客先や移動中
オフィスなどの勤務場所に依存せず、移動中や顧客先での隙間時間を使って業務に取り掛かる場合は「モバイルワーク」に該当します。
現代、急速に発達しているICT(情報通信技術)を活用して働く勤務方法といえるでしょう。
出張・出向先の取引先や、そこまでの移動中に業務をおこなったりするものです。
広い意味で言えば、出張中に立ちよったカフェで作業する場合などもモバイルワークに含まれるといえます。
営業マンなど仕事での外出が多い方は知らないうちにモバイルワークをしているかもしれません。
施設利用型テレワーク
場所:サテライトオフィスやレンタルオフィス
サテライトオフィス、レンタルオフィスで業務に取り掛かる場合は「施設利用型テレワーク」に該当します。
地方企業は都心部に、都市企業は郊外にサテライトオフィスを構えるなどをして、社員が本社以外のオフィスで勤務可能です。
自宅が遠方にあり会社本来の勤務先まで通勤することが困難な方に役立つテレワーク方法になります。
フリーランスの方でオフィスを借りている方は少ないかと思いますので、会社に雇用されながらテレワークをおこなう方に当てはまることが多いです。
テレワークが向いている人
ここまででテレワークの定義や種類がわかってきましたが、実際どのような人がテレワークに向いているのでしょうか。
テレワークが向いているとされているのは以下の3種類のどれかに当てはまる方です。
- 恒常的または一時的に通勤が困難な人
- 管理、研究、開発部門の人
- 顧客対応業務をおこなう人
ここに関してはリモートワーク・テレワーク間での大きな違いはなく、これらに当てはまる人はリモートワークが向いている人だともいえます。
それでは、以下でそれぞれ詳しくご説明していきます。
恒常的または一時的に通勤が困難な人
例:妊娠、育児、介護、ケガ、障害といった事情がある
育児や介護などの理由で通勤が困難である場合は、テレワークが向いているとされています。
一時的にテレワークにする場合もあれば、そもそもテレワークでの契約で雇用される場合もあります。
また、ケガや障害があり勤務先まで通勤することが困難な方にもテレワークは向いている勤務方法です。
今まではケガが原因で通勤に支障があるなどの理由で勤務が困難だった方でも、テレワークを導入することで働けるようになったという場合もあります。
育児中の方や障害を持つ方を雇用することにより得られる助成金もありますので、積極的にこうした人材の雇用に取り組んでいる企業も少なくないでしょう。
管理部門、研究・開発部門の人
例:企画や総務・人事など
次に業務内容から考えます。
例えば管理部門は情報通信技術の発展により、必ずしも社内にいる必要がなくなりつつあります。
管理・評価ツールなどの登場で効率化が進んでいる分野でもありますので、最低限の出社でも成り立つでしょう。
研究・開発部門はアイデアや思考力が問われる業務が多いので、パフォーマンスを高めるためにテレワークが活用されています。
管理系の仕事は現代で推奨されている「働き方改革」を十分に実践している働き方であるとも言えるでしょう。
顧客対応業務をおこなう人
例:営業、サポートサービスやSEなど
営業やサポートサービスなど、顧客対応が主な業務である場合もテレワークが適しています。
顧客先に向かったりする場合もありますので、テレワークの中でいうとモバイルワークに該当するでしょう。
また、SEは顧客対応とは少し異なりますが、オフィスに出勤しなくとも業務内容に大きな変化は生じないことからテレワーク向きの職種だといえます。
どう使い分ければよいのか?
テレワークとリモートワークは、言葉の意味的にはほとんど違いがないことがわかりました。
この章では使い分け方について解説していきます。
結論としては、相手やシチュエーションによって使い分けるのが最善です。
テレワーク、リモートワークを使う層としては、以下のような違いがあります。
テレワーク |
リモートワーク |
|
使う人 |
自治体、省庁や大企業 |
IT企業やフリーランス |
テレワークの方が公的な団体において使われることが多いですし、なにより「日本テレワーク協会」というものが存在していることが大きいです。
よって、自治体に助成金の申し込みをする際や、大きな組織の相手とやり取りをする場合などは、「テレワーク」を使うのが好ましいです。
しかし、世間的には「リモートワーク」の呼称の方が一般的になりつつあります。
メディアなどでも「リモートワーク」という言葉が使われることが多くなっているので、基本的には「リモートワーク」を使用するのがおすすめです。
テレワークとリモートワークの職種の違い
職種によってもテレワークなのかリモートワークなのかは変わってきます。
テレワークとリモートワークでは、それぞれ以下の職種が該当します。
テレワーク |
リモートワーク |
|
職種 |
・管理部門 ・営業部門 ・顧客対応など |
・エンジニア ・ライター ・デザイナーなど |
テレワークは省庁や大企業で使われる言葉なので、大企業や省庁に関連する業務はテレワークに該当します。
一方で、リモートワークはIT企業やフリーランスに使われる言葉なので、フリーランスやIT関連の業務はリモートワークだといえます。
この違いについてはしっかりと定義づけられているわけではありませんが、このように使い分ければ意味は伝わりやすくなるでしょう。
この記事で例に出した職以外にも在宅でできる仕事を知りたい方は、ぜひ下記の記事をご覧ください。
【リモートワーク・テレワーク向きの職種5選!それぞれの職種に就く方法も紹介】
「雇用型」と「自営型」の違い
リモートワーク・テレワークにはそれぞれ「雇用型」と「自営型」があります。
以下ではその詳細をご紹介します。
雇用型:社員やアルバイトとしてリモートワーク、テレワークを請け負う
自営型:個人事業主やフリーランスとしてリモートワーク、テレワークを請け負う
雇用型 |
自営型 |
|
従事者 |
・社員 ・アルバイト |
・個人事業主 ・フリーランス |
メリット |
・会社に守ってもらえる |
・スキルや頑張りしだいで大きく稼げる |
デメリット |
・仕事が選べず、自由度が低い |
・確定申告や営業が必要となる |
表にまとめて見ると同じリモートワーク・テレワークでも、雇用型か自営型かでは大きな違いがあります。それぞれについて解説しますので、参考になれば幸いです。
雇用型
雇用型は社員やアルバイトとして、会社に属しながらリモートワーク・テレワークをおこなうという形態です。
出勤が必要になることもありますし、自身で仕事を選んだりすることもできませんが、会社から守ってもらえるのは大きなメリットです。
自営型と比較すると自由度こそ劣りますが、安定度は非常に高いリモートワーク・テレワークといえるでしょう。
リモートワーク・テレワークを導入する企業は増えていますので、社員に在宅ワークを認めている会社は昔よりも見つけやすくなっているはずです。
自営型
自営型は、個人事業主やフリーランスとしてリモートワーク・テレワークをおこなうものです。
安定性は雇用型には劣り、確定申告などの手続きも自身で行う必要がありますが、スキルや頑張り次第では収入を右肩上がりで増やしていくことが可能です。
ただ、良くも悪くもすべて自分次第で収入が決まりますので、自己管理ができたり、向上心があったりする人でないと、継続して稼いでいくのは難しいでしょう。
自営型のリモートワーク・テレワークも、クラウドワークスなどの登場により仕事を見つけるのが容易になったことで昔より始めやすくなっているといえます。
まとめ
この記事ではテレワークとリモートワークの定義や具体例をご紹介しました。
どちらも似たような言葉として使われていますが、対象やニュアンスに違いがあり、相手やシチュエーションによって使い分けたほうが好ましいです。
今回ご紹介したそれぞれの定義や違いを参考にして、ぜひ適切な使い分けをしてみてください。
どちらの形態であっても遠隔で仕事ができることにはさまざまなメリットがあります。
- 家事やプライベートも充実させることができ、ワークライフバランスを実現できる
- 通勤の手間を減らすことができ、自宅で生産性を高めることができる
リモートワークにせよテレワークにせよ、これらのメリットを受けられることに関しては同じだと言えるでしょう。
様々な事情から会社までの通勤が難しいという方でもリモートワークやテレワークでは仕事が行えるという場合もあります。
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