by大村昂太朗
フリーランス必見。廃業させずに安定した案件で収入を得る方法を解説。
フリーランスになってから、なかなか収入が安定しないことから廃業に追い込まれている方がたくさんいます。
フリーランスは、なぜ収入が安定する方が少ないのでしょうか?また、フリーランスを廃業せずに安定した収入を得るには、どうしたら良いのでしょうか。
そこで今回は、「フリーランスが廃業する3つの原因と収入を安定させるための選択肢」をご紹介していきます。
目次
フリーランスを廃業する人は多い?
フリーランスで働きはじめても、さまざまな理由で廃業してしまう方は少なくありません。
なぜなら、全ての責任を自分一人で負わなければいけないからです。フリーランスだと「個人事業主」といった扱いになり、フリーランサー自身が「経営者兼社長」という立場になるのです。
つまり、フリーランスで仕事を失敗すると、責任を受け止めるのはあなたしかいなくなるというわけです。
フリーランスの廃業率
1年以内に廃業に追い込まれるフリーランスは約30%ほどですが、3年まで期間を延ばすと60%以上のフリーランスが廃業へと追い込まれています。
そして、10年間フリーランスとして活動できるのは、「10%いるかいないか」ともいわれています。最初のうちは、フリーランスのメリットが魅力的に見えていたのですが、活動していくうちに、継続して安定した収入が見込めないことが分かってくるのかもしれません。
フリーランスを廃業する理由・辞める理由
フリーランスを廃業する理由の多くは、収入が不安定であることがもっとも大きな原因です。
フリーランスというと「仕事は受注出来るのかな?」「収入が不安定では?」といったネガティブなイメージを持たれる方も多いでしょう。
フリーランス協会の「フリーランス白書2020」で見ますと、会社員と同じような月間就業時間「140時間以上」の「フルタイムフリーランス」の方が33.3%と多く、年収(経費控除前の売上ベース)は、200万円~400万円未満の方が22.9%と最も多く、200万円未満の方が次に続いています。
下記の数値から判断しても、会社員と同等もしくはそれ以上に稼いでいるフリーランスの方は、やはり少ないようです。
800~1000万円未満 | 10.0% |
---|---|
600~800万円未満 | 11.6% |
400〜600万円未満 | 19.9% |
200〜400万円未満 | 22.9% |
200万円未満 |
22.5% |
出典:フリーランス白書2020【14ページをご参照】
では、収入の不安定さを招くものとは何でしょうか。
主に次の3つが、収入の不安定さを招いていると考えられています。
- ・仕事が継続されない
- ・仕事の交渉コスト
- ・慣れない税務処理
それぞれ詳しく見ていきましょう。
仕事が継続されない
企業は、時間を短縮して効率よく業務を回すようにする必要もあるため、フリーランスに仕事を依頼することが多いようです。わかりやすく言うと、下記のコストよりもフリーランスに外注するコストの方が安い場合に、仕事を発注するケースが多いということです。
- ・その分野の仕事を行えるようになるために正社員1人を教育するコスト
- ・スキルを保有する正社員1人を雇うコスト
- ・自分で仕事を行うコスト
仕事を発注いただけるのは、フリーランスにとっては嬉しいことですが、問題は発注の需要がなくなった時です。上記のコストをかけたくないということは、実際には一時的な需要であることが多いのが通常です。
こうした一時的な依頼発注や、新規事業としてのトライ&エラーに長くコストを払い続けるようなことを企業は避けていますので、多くのフリーランスの方が企業側の一時的な需要を満たし、それが終わると契約を切られてしまうというケースが多いのが実情です。
その結果として、
- ①仕事が継続されない
- ②すぐにまた新しい仕事を探さなくてはならない
- ③仕事のための交渉事を行う
- ④仕事を受注できるが、継続されない
という悪循環が生まれてしまいます。
つまり、フリーランスは仕事の継続先を増やすためにも「どの仕事なら継続してもらえるか」を考えながら仕事を探す必要があるということになります。
仕事の交渉が下手
先ほどのように、1つの仕事が継続されることが少ないため、仕事を受注するためにフリーランスは交渉を繰り返していかなければなりません。
そして、フリーランスとなると、すべての事務作業も自分自身で行わなくてはいけません。
つまり、フリーランスになりますと、受注した仕事を行い、受注するための交渉、仕事が終われば請求書を発送・管理、確定申告の書類作成などの作業が待っています。
時には、実際には「予定になかった仕事」まで、急遽クライアントに押し付けられてしまう可能性もあります。
クライアントから追加の作業を依頼されたら、断ると次につながらなくなりますので、どのようなタイミングで追加作業をしていくかの交渉をしなければいけません。
このような、収入に直接結びつかないどころか、仕事の弊害となるような交渉などに多くの時間を費やしてしまうべきではありません。
慣れない税務処理で一発退場
フリーランスは報酬が直接口座に入ってきます。しかし、会社員と違い個人事業主なので、税金を自身で計算して納付しなければなりません。
つまり、口座に入金された金額を会社員と同じ感覚で使ってしまうと、納税するときにお金が足りないなどということも起きてしまう可能性があります。
それまでは、会社員として可処分所得が計算しやすい立場にいましたが、思ったよりも生活費や可処分所得の管理コストがかかり、税務処理などが面倒となり辞めたいと思う方も多いようです。
されどフリーランスは魅力的である
ここまで、フリーランスの収入の不安定さをご紹介してきましたが、フリーランスで働くことは魅力的であることに変わりはありません。
フリーランスの主な魅力は下記のようなものでしょう。
- ・仕事に達成感や充実感が感じられるようになった
- ・就業環境が改善された(好きな時間に仕事ができるなど)
- ・人間関係のストレスが減った
- ・プライベートの時間が持てるようになった
- ・仕事のスキルが上がった
このようなフリーランスの魅力だけを見ていくと、会社員という枠組みから飛び出したくなりますよね。では、もし好きな仕事の中に、あなたの「やりたくない作業」、「不得意な作業」が入ってきたらどうでしょうか。好きだったはずの仕事が、「面倒くさい仕事」になったと感じるはずです。
フリーランス業を安定させるために必要なこと
では、フリーランス業を安定させるために必要なこと、やるべきことは何でしょうか。
具体的には、次の4つが有効です。
- ・媒体や仕事の受注先を選ぶ
- ・スキルの専門性を高める・幅を広げる
- ・請け負った仕事をやり遂げることで信用を重ねていく
- ・セルフブランディング
媒体や仕事の受注先を選ぶ
あなたは自分を安売りすべきではありません。
そのために、まずは実際にあなたが受注している仕事の相場価格を調べてみてください。そして、その相場以下の金額でしか発注がこない取引先からの仕事は、一旦受けることを止めて値段の交渉をされることをおすすめします。
ただし、価格交渉するときは自身のスキルを上げて要求以上の業務を行えることなどを説明し、少しでも単価の高い案件を受注できるような交渉が必要となります。
仕事の単価が上がるにつれて、求められる内容も高度なものになっていきます。まだフリーランスを始めたばかりであれば、最初は単価が低くても、経験を積んでいくほどスキルも上がり、単価も比例して上がっていきますので、まずは実績を積んで信頼とスキルを向上させることを第一に考えてみましょう。
スキルの専門性を高める・幅を広げる
スキルの専門性、幅を広げることは、フリーランスとして仕事を受けていくうえで大切なことです。特に、フリーランスは「アウトプットのみ」を求められる仕事です。
会社員時代は、部署が変わったりするとその部署の仕事の引継ぎや、新しい職務に慣れるための期間が用意されていますよね。そのために「研修」などの制度も会社には設定されています。
つまり、「収入を得ながらインプットすることが認められている」。具体的に言えば「何もバリューを発揮しなくても収入がもらえる」のが会社員ですから、この点がフリーランスの立場や働き方との大きな違いです。
フリーランスはアウトプットすることでしか収入を得られませんので、そうなりますと何とかして、アウトプットと同時にスキルを向上させられるインプットがなされる仕事を上手く選ぶ必要があります。
そうしませんと、自身のスキルが時代や市場のニーズに合わなくなった時に、仕事を失ってしまうことになります。
そこで現在の仕事は、自分のスキルを売っているだけでなく、同時に得るものも大きいかなど、改めて見直す必要があります。
請け負った仕事をやり遂げることで信用を重ねていく
フリーランスにとって、一番避けたいことは仕事を依頼してくれていた企業からの「信用を失うこと」です。どんな形で仕事を受けたにせよ、フリーランスは受けた仕事は発注側が満足いく仕事の成果を出し続けなければ、信用を積み重ねていくことはできません。
また、仕事を受ける数が増えれば増えるほど、信用と収入も比例して上がっていくと考えて良いのですが、発注側から最初に見積もっていた工数よりもはるかに仕事量が多くなり、納期が延び延びになってしまうということもフリーランスとしては誰しもが経験したことがあるでしょう。
例えば、途中でクライアントから無茶振りされたとか、派生した仕事までやらされたといったことなどです。
納期が延び延びになってしまうなど、自分自身に原因がなかったとしてもクライアントはそんなことは認めてくれないこともあります。
これらはひとえに、「最初の仕事の工数見積もりが甘かった」ことによって引き起こされる事が多いです。結果的に、仕事をさばくことができず、やり遂げることができなくなり、信用を失ってしまうことも。
ゆえに、「仕事量の適正化」を守ることもフリーランスを続けていくことのマスト条件となります。
セルフブランディング
フリーランスこそ「自分の仕事は自分で取ってくるべき」と考えていませんか?
仕事の受注先は73.8%が人脈(知人の紹介含む)からです。(フリーランス白書2020)【15ページをご参照】
その他に52.3%の方が、過去・現在の取引先からの紹介が主な受注先とされています。
これは、今まで受注してきた仕事をしっかりとこなしてきたという実績があって初めてできることです。ただ、それ以上に自分のブランディングを意識しているからできることでもあります。
実際に、稼いでいるフリーランスの多くはセルフブランディングに力を入れており、フリーランスを継続し成功するには、自分を売る力(セルフブランディング)が63.2%の方が重要と考えているようです。(フリーランス白書2020)【20ページをご参照】
自分を売り込むためのサイトやポートフォリオを用意することもセルフブランディングに繋がります。
自分を安売りして、クライアントに営業を行うという営業活動は避けるようにしましょう。
フリーランスにエージェントという選択肢
ほとんどのフリーランスは、過去や現在の取引先から仕事を受注するとか、同業者から仕事を紹介してもらう割合が過半数を占めています。
過去や現在の取引先 | 52.3% |
---|---|
自分自身の広告宣伝活動 | 23.8% |
エージェントのサービス利用 | 15.0% |
クラウドソーシング | 12.3% |
(フリーランス白書2020)【15ページをご参照】
しかし、このような人脈や紹介がないフリーランスはどうすればいいのでしょうか?
確かに、12.3%の方がクラウドソーシングサービスなどを利用して受注をしていますが、ここでの仕事の多くは「一時的な需要のための発注」がメインであり、先に書いたように「需要が満たされたら継続が見込めない仕事」が大半です。
だからこそ、収入が安定しない下記のようなスパイラルに陥りやすいわけです。
- ①仕事が継続されない
- ②すぐにまた新しい仕事を探さなくてはならない
- ③仕事のための交渉事を行う
- ④仕事を受注できるが、継続されない
面倒な交渉事をなくし、スキルアップできる高単価な仕事を受注するために
過去の取引先や同業の紹介以外で、企業がフリーランスに仕事を依頼するときの理由の大半は、自社の需要を満たすためのコストを自社で賄うよりも安くしたいからです。
よって、高いクオリティが必要な一部の人にしか頼めない仕事や、高単価の仕事はクラウドソーシングサービスなどにはさほど出てきません。
では、エージェントに企業が頼む仕事とは、どういった仕事が多いのでしょうか。
企業はクラウドソーシングなどに払う手数料よりも多くのコストを支払い、エージェントの利用を行っています。
それは、下記のような状況にあるからです。
- ・クラウドソーシングなどでは満たされないハイクオリティを求める仕事を発注したい
- ・社員の人脈や同業の紹介で良いフリーランスを見つけられない
- ・クオリティコントロールをしてほしい
こうした状況のため、高いコストを支払ってでも企業はエージェントを経由して仕事を発注するわけです。
フリーランスで高単価案件を継続して受注し、安定した収入を得たいのであれば、エージェントサービスも選択肢の一つとして入れてみるのも良いでしょう。
エージェントの利用をおすすめしたい方は、次の3つの項目に当てはまる方です。
- ・高単価の仕事をしたいけど交渉が苦手
- ・仕事量の管理が面倒くさい
- ・案件が途切れてしまうことが多々ある
伸び悩んでいるフリーランスの方は、ぜひ行動してみてください。
まとめ
今回は、フリーランスが廃業する3つの原因と収入を安定させるための選択肢をご紹介しました。
どんなフリーランスでも、最初から軌道に乗っているわけではありません。クラウドソーシングにしろ、エージェントサービスにしろ、利用できるものは全て利用しているのです。
現在、フリーランスとして伸び悩んでおり、廃業を考えているのでしたら是非ともエージェントサービスへの登録も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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