by大村昂太朗
大副業時代における採用ブランディングの考え方
令和の時代に入り、副業を奨励する会社が増加しつつあります。そうした副業に前向きな会社がスタンダードとなり、副業が当たり前になる時代が到来します。
一方、このような「大副業時代」にあたり、企業の人事部門は「どのように採用におけるブランディングを組み立てていけばよいのか」という難題を背負わされることとなりました。
本記事では、人事部門の責任者・トップリーダー向けに、「大副業時代においてどのように採用におけるブランディングを組み立てていけばよいのか」について、考えるべきポイントを整理していきます。
「大副業時代」では、副業に応募する「プロ人材」を意識したで採用ブランディングを行う必要があります。
目次
採用における「ブランディング」とは
はじめに、採用におけるブランディングの意義や重要性について、改めて振り返っておきましょう。就職活動や転職活動において働く会社を選ぶ際、人は同条件・同待遇で仕事内容についてもほぼ同一である会社から複数内定が出た場合、どの会社をどのような基準で選ぶでしょうか?
そこには、合理性(打算)を越えた「その会社にシンパシーを感じられるかどうか(その会社のことを好きになれるかどうか)」という、非常にエモーショナルな要素が絡んできます。そのため、「この会社で働きたい」と思ってもらえるようなブランドをしっかりと作り上げていくことが重要になるわけです。
一昔前は、「この人がいる会社で働きたい」と思ってもらえるようにリクルーターをはりつけて、リアルな人間関係でつなぎとめようという動きがありました。
しかしながら、そのようにしてリアルな人間関係でつなぎとめるようなやりかたには抵抗感を感じるような層が増えてきており、現在では下記のようにする必要があると言われています。
- 「会社を選ぶ側に主導権がある」という前提に立って
- 無理に縛ろうとせず
- 「会社選びの判断に役立つ情報」を会社側で用意して
- 働く場所を選ぼうとしている人達の目の届く場所に届けていく
そうした地道なコミュニケーションの積み重ねによって、会社のブランドをじっくりと構築していくことが重要になるわけです。
そうして、こちらから無理やり引っ張らなくとも、働く側の方から「この会社で働きたい」とピンポイントで応募が入るような状況を創り出すことができれば、採用ブランディングの目標は達成できたと言えるでしょう。
ベースとなるブランディング
それでは、採用におけるブランディングにおいて、どのようなメッセージを発信し、どのようなコミュニケーションを行っていくことが、効果的なブランド形成につながっていくのでしょうか。
まず現代においては、いかなる会社であれ「人を大切にする会社である」というブランドイメージをしっかりと築き上げていくことが非常に重要です(※そのブランドの裏付けとなる企業文化・組織風土を実態としてしっかりと築き上げておくことが大前提です)。
そもそも昨今では、出世志向の薄まりなどとも関連して、その会社の安定性や知名度、人気、成長可能性については、以前ほど重要視されなくなってきていると言われています。
もちろん意識はされるにしても、それだけが重視される時代ではなくなってきたということです。むしろその会社のビジネス・事業以前の問題として、「働く人間についてどのように考えている会社であるのか」という点をこそ、重要視する傾向が強まってきていると言われています。
- その会社で自分は何を学べるのか
- 自分自身のキャリアビジョンを尊重した仕事のアサインメントをしてくれるのか
- ワークライフバランスはどうか
- ハラスメントは横行していないか
- いくら若くして活躍・成長できる機会があるとはいえ、ブラックな会社ではないか
こうした点を、採用に応募する側のほうが、じっくりと観察しているわけです。「会社がどうか」というよりも、「自分にとってどうか」ということをこそ、冷静に見極めて働く会社を選ぼうとする人が増えてきています。
それでは、会社はどんなことをメッセージとして発信していけばよいのでしょうか?まずベーシックには、「人を大切にする会社である」ということをしっかりと発信し、かつ、それがうわべのメッセージではなく、実態そのままを反映したものであるということを理解してもらえるようにしていかなければなりません。
そのためには、採用の局面においてだけではなく、常日頃から企業のあらゆる活動現場において継続的に、会社で働くひとりひとりの社員がじぶんらしく能力を発露して活躍している様子を発信し続けていくことが大切になります。社員が自らの言葉で自信をもって語れているかこそがリアルであり、働く場所としての会社を選ぶ側が、最も意識して注視しているポイントといえます。
ひとりひとりの社員が、日々の業務の話だけではなく、
- 「どのような夢・キャリアビジョンに基づいて仕事をしているのか?」
- 「いま、この場所で、どんな経験を積めているのか?それが、自身の夢・キャリアビジョンとどのようにリンクしているのか?」
といった本音の物語を語ることで、ひとりひとりの社員が大切にされている会社かどうか、ということが、リアリティのある形で伝わっていくのです。
戦略的なブランディング
ここまでのところは、いかなる会社であれ共通する、現代の人材市場において自社を「選んでもらう」ためのベースとなるブランディングの考え方を見てきました。
続いて、そのようなベースを整えたうえで、自社特有の特徴をしっかりとコミュニケーションし、自社にマッチする人材を獲得するために必要な、戦略的なブランディングの進め方について考えてみたいと思います。
戦略的なブランディングの基礎になるものが、自社の「経営理念」「価値観(行動規範)」「ミッション・ビジョン」のコミュニケーションです。「じぶんを尊重してもらえるか」に加えて、昨今、会社選びにおいて重要視されているポイントは、「その会社の理念やカルチャーに共感できるかどうか」であると言われています。
- この会社は、何を大事にして、何のためにその事業を営んでいるのか?
- 企業文化は?
- 組織風土は?
- 社員自らその会社の理念を自然に体現し、日々の仕事に取り組んでいるといえるのか?
こうした点が特に注視されるようになってきていると言われています。
従来のように経済の単純な規模的拡大をシンプルに見通すことが難しい状況となっている現代においては、企業の規模や成長性・収益性よりも、その企業が理念的・倫理的であるかどうかのほうが重視されるようになってきているということでしょう。
したがって、自社の「経営理念」「価値観(行動規範)」「ミッション・ビジョン」を、社員向けのインターナル・コミュニケーションに閉じず広くオープンに発信していくことが、採用という観点からも大切な取り組みになっていくのです。とりわけ、経営者、経営幹部が、自らの言葉でこれらを語りあげていくことが極めて重要なことになります。
経営者、経営幹部の言葉が、嘘偽りなく企業の「経営理念」「価値観(行動規範)」「ミッション・ビジョン」と合致したものとなったとき、その言葉は強い説得力を持ちます。そしてその言葉は、その会社で働くということに対する「誇り(プライド)」を生んでいきます。それは、ブランド(心理的絆)そのものです。
- たとえ、その会社を離れる時が来たとしても「じぶんはあの会社で働いていたのだ」と、いつまでも誇りに思えるような会社
- ひっきりなしに「この会社で働きたい」という人がドアをノックし続ける会社
- 常に流動的に変化し、進化していく会社
- 現在の社員だけでなく、潜在的な就労希望者層と、OBも含めて、巨大なネットワークを形成している会社
- 社員だけでなく、その会社のパートナーである副業ワーカー、関連取引先も含めて、皆がおなじ「誇り」をもって「あの会社の旗の下で、あの理念の実現に向けて、自分も頑張ったのだ」と、いつまでも思えるような会社。
こうした会社になるために、戦略的なブランディングが極めて重要になります。戦略的なブランディングは、採用だけでなく、採用後の社員のワーキング・モチベーションにも直結しますし、社外の取引先・顧客との関係性にも間接的に大きな影響を及ぼしていくものです。
また、戦略的なブランディングは、組織マネジメントの観点からも非常に重要です。組織は多様性が重要ですから、さまざまな個性や特性をもった人材が集まるほうがよいでしょうし、そうした人材がそれぞれにそれぞれのやりかたを尊重されて輝ける会社が理想的であることは言うまでもないでしょう。
しかし、それだけでは単に皆が好き勝手やりたい放題やっているだけの会社になってしまいますから、会社として「これだけはみな、胸の奥に共通の思いとしてもっている」といえるような、共通の信念や価値観をしっかりと確立していくことが重要になるわけです。
そうすることで、会社として厳しい局面、おおいなる挑戦の場面を迎えた時に、社員が強靭なチームワークを発揮して一致団結し、乗り越えていくことができるわけです。
そのための準備は、採用の段階から始まっているのです。「採用できれば成功」ではなく、「採用した人材が会社で活躍をしてくれてはじめて成功」である、ということを忘れてはなりません。その意味でも、採用における戦略的なブランディングは、極めて重要な取り組みであるのです。
大副業時代における採用ブランディングにおいて留意すべきポイント
ここまでで見てきたように、採用ブランディングは非常に重要な活動です。
お互いが致命的に「合わない」にも関わらず採用が進んでしまったとするならば、お互いにとってあまり好ましくない未来が訪れてしまいます。ですから、「うちの会社はこういう会社ですよ、だからこういう仲間が集まっているのですよ」ということを、きっちりとブランドイメージとして固めていかなければなりません。
いっぽう大副業時代においては、働く人ひとりひとりに主導権が移り、複数の会社とつながりながら仕事をしていくスタイルが一般的になっていきます。そのような時代の変化の中で、採用ブランディングに関する取り組みは、どのように変化していく必要があるのでしょうか。
「時代の流れにしっかりと対応できている企業である」というブランドをしっかり作る
まず非常に単純な話ですが、大副業時代においては「副業を奨励している&副業ワーカーを積極的に受け入れている会社である」というメッセージをしっかりと打ち出していくことが重要です。大前提として、ブランディング以前に、しっかりとした副業に関する制度設計と実装を終えている必要があります。奨励するからには、しっかりとした副業支援のための体制を整備しておくことも求められます。
そのことにより、「時代の流れにしっかりと対応できている企業である」というブランドを確立させていくことが可能になり、「何事にも積極的にチャレンジしよう」という精神をもった人たちに、「この会社で働きたい」と思ってもらえる素地ができあがることになります。
保守的な会社は、さまざまな理由を立てて副業に対して積極的に挑戦することを「会社として」避けようとします。たしかに、副業を積極的に奨励・推進していくためには、会社としてもたくさんのハードルを乗り越えていかなければなりません。就業規程類から人事評価・勤怠管理のありかたに至るまで、人事にまつわるおよそあらゆる仕組みを、あまねく見直さなければなりません。
しかしながら、会社としてそのような「困難な壁」を乗り越えていこうとする姿勢を示すことは、先進的な企業イメージを確立することにおおいにプラスになるはずです。なにより、さまざまな働き方を許容し、社員が働きやすい環境を整えるために努力する会社なのだ、というブランドイメージの確立に結び付いていくはずです。
「社員と対等に向き合う会社である」というブランドをしっかりと作る
しかしながら、「副業を奨励している&副業ワーカーを積極的に受け入れている会社である」というブランドを作っていくにあたっては、いくつか注意すべきポイントが考えられます。
その1つ目は、「なぜ副業を奨励・推進しているのか」について、自社独自の言葉でしっかりと説明する必要があるということです。「世の中の流れだから」「働く側がそれを求めているから」などといった説明では、軸のない会社だと思われてしまうでしょう。それどころか、「社員に対してまともな説明責任を果たそうとしていない会社だ」などと思われてしまってもしかたがありません。
したがって、なぜ「当社は」副業を認めるのか。理由をしっかりと説明することが重要です。そうしたコミュニケーションの地道な積み重ねによって、「社員との関係性を対等に築こうとしている努力を怠らない会社である」というブランドを形成していくことができます。一般論ではなく、自社にとって
- 「会社が副業を容認する理由(会社側が得られるメリット)」が何かをきちんと整理
- 「社員が副業をしたいと考える理由(社員側が得られるメリット)」をきちんと整理
- 「どのような副業を理想とするか」を、丁寧に描き出して説明をしていく
ことが、非常に大切になります。このような説明を怠って、ただ表層的に「副業を奨励・推進している会社である」ということをアピールしてしまうと、逆効果となってしまう恐れすらあります。
「副業に寛容な姿勢を持った企業である」ということを採用時点で前面に押し出すことは、自分の能力や能力開発に意識的な優秀な人材を集める有効な手段となりうるいっぽう、採用の結果、自社に対するエンゲージメントが極端に低い社員を多く生み出してしまい、人材の定着化を損ねていってしまったりするリスクもあります。言い換えれば、いわゆるジョブホッパーや腰掛け社員を生み出してしまうリスクもあるということです。
他のリスクもあります。「副業に寛容である」というメッセージが、逆に、「従業員に対してドライな会社」という印象を持たれる可能性もあります。「その会社の仕事に全身全霊で打ち込みたい」「その会社で濃厚なチームワークを組んで一丸となって働きたい」と考える強いコミットメントをもった層から、「そこまでのコミットが求められていないのか」と誤解されてしまう可能性があるということです。もっと踏み込むならば、
- 暇なシニア社員や、仕事にあぶれた若手社員が多いから、社員の視線を外に向かわせようとして副業を容認しているだけなんじゃないか
- 業績不振で仕事が少なく、おまけに給料を引き下げざるを得ないから、副業を許可して収入源の多様化を図らせたり、徐々に副業先への転職・転出を促そうとしているだけなのではないだろうか
- この会社に入ったら、そういう、さみしい将来しか待っていないのではないだろうか
というような、あらぬ誤解を生んでしまう可能性もあるわけです。
要は、そのような誤解を生まないように副業を奨励・推進する背景にある<思想>を丁寧に説明し、ブランディングを進めていく必要があるということです。これは大変難しいことですが、きちんとした考えをもった会社であることをアピールする絶好の機会にもなり得ます。会社説明会や採用面接における質疑応答の場で、「採用の責任者である~~~さんは、副業をされていますか?副業をされたいと思っていますか?それは何故ですか?」という質問を受けたら、どのように答えるべきでしょうか?
「私事なので回答できません」といった回答では、今どき共感を得ることは難しいでしょう。インターネットの時代ですから、正直であることが重要です。取り繕ってイメージを良く見せようとする姿勢自体が不信感を招いてしまいます。まだまだ至らないところもあるのであれば、それはそれとして、率直に開示していく姿勢を示すこと自体が信頼感へとつながっていきます。「この会社は、嘘偽りなく社員と対等に向き合ってくれる会社なのだな」というブランドを作り上げていくことにつなげていけるのです。
「プロ意識を重視した会社である」というブランドをしっかり作る
ここまで、副業を奨励・推進する理由をきちんと説明することの重要性について整理してきました。その理由は会社によってそれぞれですが、共通していると考えられるのは、その会社が「プロ意識を重視している」という点でしょう。
会社として副業を奨励・推進するということは、会社としてプロ意識を重視しているという点と表裏一体の関係にあります。要するに、「副業を奨励・推進する」ということは、会社として社員に対して「会社のなかだけで通用するような知識・技能ではなく、プロとして世の中のどこでも通用するような確かな技能をきっちり磨いていってほしい」という考えを示すと同時に、会社として「社員がそのようなプロとしての技能を磨いていくことができるような環境をしっかりと整備していく」という考えを示していくということに他なりません。
副業を奨励・推進するということは、下記のようにプロ意識に基づく厳しい姿勢のあらわれなのだということを、メッセージングしていくことが重要になるでしょう。
- 「年齢も経験も関係なく、今後新しい価値を生み出す能力を有しているか?そしてその能力を磨き続けていくことのできる具体的なルーティンを自らに課しているか?それがなければ、この会社で働き続けることは難しくなりますよ」
- 「あなたがそうした能力を磨くために必要な環境を徹底的に整えていくことが会社の使命だと思っています」
- 「副業は許容されますが、それは活動できる機会を広げることによって本業で活かせる能力を絶えず自ら更新していってほしいという会社の意志のあらわれです」
- 「本業で活躍するために必要な能力を更新し続けることがどうしても難しいのであれば、お互いにとって負担にならないように、副業という段階を経て次のチャレンジ(具体的には「転職」)に進んでいってほしい、という会社の意志のあらわれです」
決して、ただ単に社員に甘い会社(「あなたの自由にやってもらって構わないんですよ」という姿勢)ではないのだ、ということをしっかりと示していくことが重要です。そこを間違えると、モラリティの低い小遣い稼ぎに勤しんで本業をないがしろにしてしまうような、本質的ではない副業へと流されていく社員ばかりがどんどん増えていってしまうリスクがあります。
従って、プロ意識がお互いの基礎にあるという前提を採用段階からしっかりと明示したうえで、お互いに合意の上で、お互いにとってメリットのある副業をどんどん進めていってもらうことができたならば、真の意味で大副業時代に正しく適応できた企業となれることでしょう。
積極的に会社に帰属したいと思ってもらえるブランドをしっかり作る
会社に就社する時代ではなくなったといわれます。人がさまざまな会社で並行して働くことが一般的となった時代において、会社に帰属する意義をどこに見出していけるものでしょうか?
2000年代以降、経済・ビジネスのありかたはどんどん流動化しつつあります。あらゆる情報がデータ化され、オープンになり、必要な人材・サービスはオンデマンドで利用可能な時代となりました。しかし、スキルさえあれば誰とでも取引できるのかといえば、そうではないはずです。どんな人か。どんな理念に従って仕事をしている人なのか。あらゆるものが流動化した時代であるからこそ、信用や信頼、共感に値する理念が非常に重要な価値になります。
そして、そうした信用や信頼を担保し、理念を象徴する役割を果たすものとして、会社というバーチャルな法人の存在意義は、今後ますます大きくなっていくことになるはずです。だからこそ、大副業時代においてもなお、会社に帰属する意義は大きく残り続けるのです。
会社に所属しているということは、その会社に社員として認めてもらっている、ということに他なりません。その会社が自身の信用や信頼を担保してくれるわけです。そして、その会社がもつブランドイメージ・理念・文化を体現した人物である、と周囲からみなしてもらえるのです。したがって、会社に帰属するということの意義は、その会社のブランドイメージを身にまとえるということが本質であり、働く側にとっても、その意味での重要性は残り続けるのです。
したがって、「この会社に所属しているんです!」と、社員が誇りをもって言えるかどうか。そして、自らブランドを構成するひとつの重要なピースとして、自らブランドの維持発展に貢献したいと思えるかどうか。そうしたブランドを確立させていくことが、大副業時代にあって「選ばれる会社」となるために、非常に重要なファクターとなるのです。
人間本位のワーキングスタイルの実現へ
大副業時代の到来は、採用におけるブランディングの重要性を、今まで以上に高めていきます。
大副業時代の到来は、「会社は会社、あなたはあなた。あなたはスキルを提供し、会社は対価を支払います」というドライな時代への転換を促していくように捉えられる方も多いかもしれませんが、むしろ実際には、会社と社員が共通の理念や価値観・ブランドイメージによって結ばれるホットな時代(ホールハートな時代)への転換を促していく方向に、作用していくはずです。
プロフェッショナリズムの精神と、カルチャーフィットを重要視する姿勢は、両立します。「スキルと成果を重要視する会社である(年功序列や、組織内忖度・派閥、会社都合のキャリアローテーションで、社員ひとりひとりの人生が左右されてしまう会社ではない)」ということと、「理念や価値観を尊んでおり、組織風土・企業文化をもった会社である(数字さえ上げていれば何やってもいい、どんな人でもいい、ということではなくて、こういう理念のもとに、その理念に共感をもった人間が集まっている会社である)」ということとは、両立するものなのです。
大副業時代の根底に流れる思想は、このふたつに集約されます。大副業時代における採用ブランディングにおいては、この流れを踏まえたうえでコミュニケーション戦略を練り上げていくことが重要になります。大副業時代の到来は、人間本位のワーキングスタイルの実現を促していきます。それは、会社本位のワーキングスタイルに対する大いなるアンチテーゼであり、革命なのです。副業は単なるブームではなく、歴史的意義をもった時代のうねりと化しています。
副業に対してどのような考えをもった会社であるのかを広くオープンに意思表示していくことは、その会社のブランド作りの根幹となります。人事部門だけで閉じて考えるテーマでもありません。経営陣、全社員で車座になって語り合うべき、現代における最大の経営課題であるとも言えるでしょう。
ぜひ、御社ならではの「考え」を練り上げて、コミュニケーションをスタートさせていってください。それが、大副業時代に生き残ることができる「働きたい、と、選んでもらえる会社」となることのファーストステップとなっていくはずです。
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例えば「週1定例打ち合わせ+リモートのみ」で対応可能な案件など、様々な働き方でご紹介可能です。
<こんな方におすすめです>
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