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副業ナレッジ

by大村昂太朗 大村昂太朗

副業制度を創り活用するために②副業の理想像を考える・実験部署による検証

副業制度を創り活用するために②副業の理想像を考える・実験部署による検証_アイキャッチ

今回は、「副業の理想像を考えるために・実験部署による検証」について述べています。

前回の「①制度を作る時、最初に陥りがちなリスク~意思決定は誰がするのか」では、自社社員の副業制度を作る時に、まずは経営的な意思決定が必要だということについて解説しました。

副業制度の最初の検討のプロセスは以下のように進めると良いと考えられるのですが、前回の①はこのうちの⑴と⑵についての解説となっています。

⑴副業についての意思決定の主体者を決める(通常は経営者)

副業制度の立案の担当者を決める

⑵副業を行うことによる到達し得る理想像を考え、決議する

⑶必要ある場合は実験的な部署で検証する

そして、⑵の「副業を行うことによる到達し得る理想像を考え、決議する」ということが制度を作るうえで非常に重要になりますが、このために、⑶の「必要ある場合は実験的な部署で検証する」とは、ぜひともおこなった方が良いプロセスだと言えます。

社労士松井勇策バストアップ写真

【プロフィール】

松井勇策(社会保険労務士・公認心理師・Webアーキテクト) フォレストコンサルティング労務法務デザイン事務所代表。副業/複業・リモートワーク・上場対応・AI化支援・社内社外ブランディング・国際労務対応など「新しい生き方・働き方の確立の支援」を中心に、社労士や心理師として活動している。著作等も多数。

名古屋大学法学部卒業後、株式会社リクルートにて広告企画・人事コンサルティングに従事、のち経営管理部門で法務・上場監査・ITマネジメント等に関わる。その後独立。東京都社会保険労務士会役員(支部広報委員長・研修/広報委員・労務監査責任者等)

実験的な部署による検証

実験的な部署による検証近年「オープンイノベーション」と言われる動きがあります。社外との関りを強くしてイノベーションを促進し、事業革新を実現しようということが一般的になってきました。そうした中で、社外との協力関係や担当者の権限について他の部門とのあり方を変え、実験的な部署を作って検証していくことが一般的になっています。

日本生産性本部の調査によると、大企業5085社への調査(有効回答数238社)において、実験用の部署(該当調査内では「出島」と呼ばれている)を作る企業は順次増え、2018年段階で2割を超えてきているようです。

実験的な部署による検証_グラフ

※ 日本生産性本部『「出島」を作る率』より、調査内の「出島の設置状況」および「出島の設置時期」を基に、2013年以前と設置年不明なものを2013年に置き、年ごとの設置数を累計し単純加算して割合を取って社会保険労務士松井が作成 ※2018年の割合については年の途中であり、さらに多い可能性がある

副業制度に関しても、まさに同様の検証が有効ではないかと考えられます。本質的な理由は、副業制度は本質的に、オープンイノベーションととても近い関係にあるためです。

前回も挙げた「副業制度のメリット」として考えられることは、大きく以下の通りであると思います。

副業制度のメリット
①社員を縛り付けるのではない道を開くことで、経営を洗練させ、自社の魅力や優位性を見直すきっかけを手に入れる
②社外で働く社員が新しい技術や知見を手に入れることで、社内における業務の質の向上やイノベーションが進展する
③従業員が必然的に自分のキャリアや生活全体を見直し主体的な意思を持つきっかけとなるため、主体性が上がり、生産性が高くなる

こうしたメリットの①②はまさにオープンイノベーションの一般的なメリットである「自社だけでなく他社や研究機関、地方自治体、個人などの外部の知識を広く組み合わせることにより、社会の変動が激しい中で、戦略的に短期間でイノベーションを起こすことができる」ということと非常に近いものです。

そして、さらに③は副業制度のさらに大きな成果・果実ともいえるもので、風土の変革と働く方の意識の変革・成長です。こうした人材の輩出を促していくことこそが、副業制度の根本的なメリットだと言えます。

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何を検証するのか

何を検証するのかでは、実験的な部署で何を検証するのでしょうか。さて、制度の検証というと「リスクを検証する」ということに頭がいきがちになります。

確かに副業制度を進める上で、知的資産や情報保護の観点でどういったルールを作ればいいか、ということは非常に重要な問題です。(以後の回において、別途詳述する予定です)

しかし、第一に重要な点はリスク検証ではなく、副業制度のメリットを実現させるための支援や副業制度活用による成功事例、ロールモデルづくりだと思います。

また、こうしたモデルは各企業の根幹にある風土や判断基準によって大きく違ってくるものであり、各社で検証する必要があるものです。

このように、「推奨される副業のモデルを会社として提示する」取り組みは、副業制度を効果ある形で進めるために必ず必要なものであると考えています。

こうしたものがないと、副業を希望する社員の方の考え方に軸ができませんし、そういった事例を軸にして、発展的な基準もできていくものだと思います。

またこうした事例の創出がないと、結局副業に対する考え方の軸が社内で形成されず、無軌道な副業申請などに対する判断も難しいことになってしまいます。

具体的な事例と検証の必要性

具体的な事例と検証の必要性事例として、管理部門の社員の方が自社の情報を積極的に発信するために、副業としての情報発信を行ったり、技術系の社員の方が技術をスライド・応用できる領域での受託業務を行ったりということはよく見られる事例です。

各社の特質や、抱えている人材の特徴によってさまざまな形がありますし、また、意外に担当業務とそこまで関係が内容に見える副業が、非常に先進的な成果をもたらすこともあります。こうしたことの予測は難しいため、ぜひとも、検証するための部署を設けての検証は、ぜひとも行うべきことだと思います。

こうした検証自体に、外部のコンサルタントのアイディアや知見を活用することも考えられるでしょう

副業一般の知見やイノベーション的な制度設計を進めるアイディアがあり、法的なリスクマネジメント知見のある専門家(制度構築が得意な弁護士・社会保険労務士や、法務的知見のある経営コンサルタント等の専門家)が適任であると思われます。

次回以降は、経営的な意思決定や検証を経ての、具体的な制度作りとそのポイントについてみていきます。

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大村昂太朗

大村昂太朗

この記事を監修した人 大村昂太朗 株式会社リアステージ プロシェアリング事業責任者兼プロテンマガジン編集長

2020/4の新卒配属時から一貫して総合人材支援会社、株式会社リアステージに従事。 1年目から新卒周りで事業の立ち上げと責任者を担い、2年目にインターン事業を立ち上げ。3年目のタイミングで新卒から副業領域にキャリアチェンジして、プロシェアリング事業の立ち上げ、責任者を務める。