by大村昂太朗
広報の業務委託ができること・任せるメリットと委託する際の注意点
広報は、業務委託との役割分担によってそのパフォーマンスを何倍も向上させることが可能な職種です。とはいえ、業務委託を採用したことがない企業からすると、
・会社の顔なのに任せても大丈夫なのか
・具体的にどう役割分担すると良いのか
など、わからないことも多いと思います。
そこで今回は、プロの副業を運営している株式会社ホールハート代表小野が、広報職の業務委託を数多く紹介してきた実績と、紹介企業様からのフィードバックをもとに、これらの疑問について解説していきます。
株式会社ホールハート代表取締役CEO
小野進一
人材紹介業歴18年の大ベテラン。広告業界に強力な人脈を持ち、1万人以上の求職者をサポートしてきた実績を誇る元宣伝会議取締役。2年連続(2014/2015)「ビズリーチ・ヘッドハンターサミット広告部門」のMVP受賞実績有り。これまでのキャリアを活かした他業界への転職/副業支援実績も豊富。
目次
広報職の業務委託とは
広報職の業務委託は、主に宣伝側と社内・社外広報活動の2つがありますが、バックオフィス業務を担うことが多いです。
広報職は、
・情報集収・分析、資料管理などは業務委託がおこなう
など、役割を分担しやすい業務領域であると言えます。
広報職の業務委託ができること
広報職の業務委託には、企業によってはマーケティングを兼ねていることもあるため、求められることが多いです。そこで、実際は何ができるのか、委託できる内容を一部紹介していきます。
広報戦略・企画立案
-
自社製品やサービス、企業のブランドをどう発信していくべきか、その戦略と企画の立案業務です。
業務委託1人に任せるというよりも、正社員と業務委託のチームでプロジェクトを推進していくことがほとんどです。
製品情報や企業戦略を熟知している正社員が方向性を決め、情報収集や資料の作成を業務委託が担うケースが多く見受けられます。
ブランド戦略
ブランドイメージ向上のための情報収集業務がメインです。
また、各種SNSで専門的にマーケティングを担ってきた業務委託が、SNSでのブランドイメージ向上施策のためにアサインされることもあります。
メディアリレーションの構築・維持
広報職は社外とのやり取りが多い業種でもありますが、必ずしも対面でやり取りをすることばかりではありません。
特に、ネットのメディア出稿の場合は、相手の顔も知らないことがほとんど。出稿に伴う事務作業やメディア側の担当者とのやりとりなどを業務委託が担うことは多いです。
プレスリリースに関する業務全般
プレスリリースの草稿や自社メディアのコンテンツ制作を担うことも多くあります。特に、自社製品やサービスがリリースされる時期は、その対応に追われるなど多忙を極めます。
そのような、一時的には多忙だがずっと続くわけではない時に、業務委託をスポットで利用することもあります。
広報デザイン業務
会社案内のパンフレット作成業務などに伴う、
- デザイン業務
- 印刷会社とのやり取り
を業務委託がおこなうこともあります。
社内広報
機関誌の作成や、定期的な社内広報・情報共有を担うこともあります。そのような場合、この仕事だけ委託されるケースは珍しく、あくまでも作業のうちの1つというケースが多いといえます。
自社メディアの運用
自社メディアの運用業務を担うことも多いです。
- ランディングページの制作
- 顧客や案件獲得のためのコンテンツ制作
- シンプルに情報発信のためのメディア運用
など、多岐にわたります。特に、顧客や案件獲得のためのコンテンツ制作は、普通の広報職ではノウハウがないことがほとんど。
単なる情報発信とは異なり、SEOに精通していることや、顧客体験の作り込みなど、一連のコンテンツ制作の経験・ノウハウが必要になります。
ただ、これらをこなすために社員を育成するとコストがかかるため、ノウハウを既に持っている業務委託に任せるケースが多数あります。
広報を業務委託に任せるメリット
ここからは、正社員採用と比較し、業務委託を利用する場合のメリットを紹介していきます。
広報のコストを抑えられる
広報の仕事の多忙さは、自社製品やサービスのリリース状況などに応じて変わります。
製品を売り出す前のメディア対応や、売り出したあとの顧客への対応・情報発信など、社内の事情に左右されることがほとんど。
そのため、ある程度「この時期は人手が足りなくなるな」と予測しやすい業務と言えるでしょう。
とはいえ、仮に3ヶ月間という短期間の間が多忙だとはわかっていても、新しく正社員を採るほどの採用コストはかけたくない場合も。
そのような時に業務委託を利用することで、臨機応変なコスト調整が可能になります。
プロのノウハウをすぐに利用できる
顧客や社会に対してブランディングを高めたり、販促のための広報戦略をおこなうときに、業務委託のノウハウを利用することもあります。
SNSなどの各種媒体や、新しい広告ツールは、それぞれの特徴に合わせた情報発信をすることで、広告効果を何倍にも高めることが可能です。
「新しいこのツールでは、このような情報発信ができるようになったけど、どうやれば効果的なブランディングができるだろうか」
このような時は、正社員を育成するよりも、既にそのツールや媒体のノウハウがある業務委託に任せた方がコスト的にも安く、高いパフォーマンスが期待できます。
客観的に広報戦略を見直せる
広報に関する情報発信をおこなった際に、顧客やネットなどから逐一反応があれば、その反応を参考にしてその後の情報発信の仕方や内容を改善することができます。
しかし、CMや広告などの派手な情報発信ならまだしも、プレスリリースをはじめとした地味な広報活動では、わかりやすい反応や意見を吸い上げることは難しいです。
業務委託ならば、外部の人からはどう見えているのか、自社の人間にはわからない視点でブランド戦略を考えられるメリットがあるでしょう。
人脈・コネクションを広げられる
業務委託の人脈やコネクションを利用し、広報戦略に新しい視点を取り入れたり、施策の幅を広げることが可能です。
広報の仕事は人脈やコネクションによって、発信できる媒体や機会が増えることも多いです。
しかしその反面、広報職は自社製品やサービスのリリースに依存した人脈やコネクションに限られる傾向があるという特徴もあります。
新しい施策の発見のためには、新しい人脈・コネクションが必要になることもあるのです。
業務委託の広報職の利用をおすすめする企業例
業務委託を広報職として利用するメリットはわかっても、どのような企業が利用すべきなのかわからないことが多いかもしれません。
ここでは実績をもとに、「このような企業は業務委託を検討すべき」という事例を紹介します。
自社のブランド力が停滞している
自社の製品・サービスの購買単価や、顧客のロイヤリティの低下を放置したままでは非常に危険です。
現在の広報活動のやり方を改善するのはもちろん、ブランディングイメージの向上施策のために利用していたチャネル自体の刷新が必要になることもあります。
ただ、新しいチャネルのノウハウがない場合は、社員が通常業務を行いながらキャッチアップするのを待たねばなりません。
そのような時は、ノウハウやスキルを持った業務委託に頼った方がコスト的にも安価ですし、正社員を新しく採用するよりも遥かに入社までの期間が短くて済みます。
広報の固定費が高い
企業規模や製品・サービスのリリーススケジュールなどによっては、
・複数の業務委託
が最善のプロジェクトチームであることも珍しくありません。広報として5人必要だから正社員を5人雇った、という考えでは、固定費が高くなります。
その場合は、3人ほどの業務委託を利用し、多忙な時期に合わせて3~5人と変動させる方が遥かに固定費を安くすることができます。
広報戦略や宣伝先が代わり映えしない
先述したように、広報職は自社製品やサービスによってできる人脈が決まりますし、その製品やサービスに最適な媒体の利用ノウハウがたまる特徴があります。
たとえば、スマホケースを作っているメーカーならば、小売店との関係やネット通販会社とのやり取りは重要ですから、広報職の人はそれに伴う人脈ができ、ノウハウがたまります。
スマホケースを作っているメーカーが、新商品として全く異なる業種の製品を作ることは考えにくいでしょう。
そのため、今の製品・サービスに合わせた人脈のリレーションシップを高めることで、次のスマホケースも売りやすくなるメリットは確かにあるといえます。
同じことを繰り返すわけですから、人員の変動も少なくて済みます。しかし、逆に言えば新しい広報活動の施策が広がらず、販売の機会を逃している可能性があることも示唆しています。
人は、知らないことをすることはできません。他のノウハウを持った人員が業務委託として来れば、広報活動の幅も広がるはずです。
広報職の委託先の選び方
広報の業務委託にできることや、利用するメリットは非常に多いです。ただ、肝心の業務委託を採用するには、どこの紹介会社を選べばいいのか、わかりにくいこともありますよね。
特に、選びかたを間違えた場合はメリットどころかデメリットがありますので、紹介会社の選び方が最も重要だと言っても過言ではありません。
詳しい紹介会社の選び方については下記の記事を参考にしてください。
広報職の業務委託に関するQ&A
広報職の業務委託を採用するにあたって、企業が抱く懸念点として多いものをまとめました。
会社の顔なのに業務委託に任せてもいいのか
業務委託が担える仕事の範囲はかなり広いですが、全ての広報職の仕事を業務委託に任せるのが適切かというとそうではありません。たとえば、
・メディアなどからの取材対応
・広報戦略の重大な意思決定
・マネジメント
を正社員が行うなど、業務の切り分けによって業務委託をうまく使うべきであると言えます。
社内に広報のノウハウは残るのか
広報職の仕事は、ノウハウを引き継ぎしやすい職種であると言えます。
媒体別の広報活動については仕様に落としてもらったりすることで、業務委託がいなくなったあとでも問題なく運用できるようになるはずです。
また、広報はノウハウや人脈・コネクションがものを言う部分があるので、できる限り、業務委託からの吸い上げをおこなうのが良いと言えるでしょう。
委託者の人脈やノウハウは採用前にわかるのか
普通の社員の採用時にもわからないことが多いですが、それは人材紹介会社が当人のスキルを把握しきれていないからだと言えます。
書類に書いてあることがそもそも正しいのか、書いてないことで重要なことはないか。
これらを把握するため、業務委託のスキルを定期的なヒアリングや面接で確認している紹介会社を選ぶべきです。
まとめ
広報職は業務委託に任せられる範囲も広く、正社員との役割分担がしやすい業務です。
- 知らないノウハウやスキル
- 人脈やコネクション
- バックオフィス作業全般
について業務委託を利用することで、広報職の社員のパフォーマンス向上にもつながりやすい特徴があります。
また、広報職は多忙な時期が予測しやすいため、その時に合わせて業務委託を採用するなど臨機応変に採用コストをコントロールすることで固定費を安く抑えられます。
ただ、業務委託者のクオリティは紹介会社で決まりますから、紹介会社の選び方には注意してください。
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