by大村昂太朗
3Dデザイナーの副業情報を紹介。気になる案件単価や年収は。
皆様は、「3Dデザイナー」や「モデラー」と言われる職業をご存知でしょうか。令和に入ってからというもの、デジタル社会はより一層活発となり、伴ってデジタルに関する職業も多岐にわたっています。この度は多種多様なデジタルに関する職業の中で「モデラー」とも呼ばれる「3Dデザイナー」について、ご紹介していきます。今は転職や副業なども珍しくありませんし、これを機に皆様が職業「3Dデザイナー」に興味を持っていただけますと幸いです。
目次
「3Dデザイナー」ってどういう仕事?
まず3Dデザイナーの大まかな仕事内容からご説明していきます。3Dデザイナーと一言で言っても対応範囲はとても幅広く、ジャンルで分けても例えばアニメやゲームなどのエンタメ系、建築現場、更には医療の世界まで活躍が期待されている仕事です。
建築や医療にも対応範囲が広がっていると聞くと、ハードルが高そう、未経験の場合や本業の合間の副業に稼ぐなんて無理だろう、なんてお声も聞こえてきそうです。しかし、この記事は皆様に、3Dデザイナーとはどういう仕事なのか深掘りをしつつ興味を持って頂きたいという想いで執筆しましたので、どうぞご一読ください。
まず3Dデザイナーとは大まかに言いますと、3Dモデリングと呼ばれる3次元のオブジェクトまたは形状の数学的表現を、ソフトウェアを使って作成する仕事です。3D、立体的な表現を作成するお仕事ということですね。
細かくご説明しますと、以前から聞くCG(コンピューターグラフィックス)、コンピューターを用いて画像や映像を作る技術のうち、奥行きや立体感のあるものを「3DCG」と言います。その「3DCG」を作成する仕事が3Dデザイナーです。
最近はアニメーションや建築用の設計図などさまざまな場面で「3DCG」が使用されていますので、皆様も一度は3Dデザイナーの作成物を見かけたことがあると思います。例えば住宅の設計図の場合、不動産会社のチラシなどで内装が2Dつまり平面図だと、実際の物件の様子がイメージしづらかったりしますよね。
ですが映像やサンプル画像として立体的な、実際そこに建物が存在していて内側から撮影しているかのような奥行きのある物を見られると、イメージするのは簡単になると思いませんか?
もし新築戸建てのような完成前の物件、しかも高額な買い物となると事前の打ち合わせは念入りに行うものですが、それでもイメージのし易さを考えると3D、立体的な設計図があった方が良いですよね。物件を建ててから考え直して再度建て替えるなんて現実的ではありませんし、憧れのマイホームが想像とは全然違った物になってしまったなんていう悲惨な事態も、ある程度は防げそうです。
ちなみに先ほど触れた「2D(CG)デザイナー」とは、有料かつ性能が高いことで有名なPhotoshopやIllustratorといったデジタルソフトで平面的グラフィックス(2DCG)を制作する仕事ですが、3Dデザイナーは2Dデザイナーが作成した画像を元にしつつ彼らとは異なるソフトを使用し360度の視点で構図を考えて立体化させる場合もあります。
ゲーム制作の現場などがその一例です。最近のゲームは立体的で臨場感のある作品が増えましたよね。3Dデザイナーは年々技術やクオリティが進歩しており、就職後も勉強やスキルアップが必要となる職種ではありますが、社会に欠かせない存在です。
自分の作品が色んな方の目に触れ、やりがいは大きいでしょう。なお2Dと3Dそれぞれのデザイナーで作業過程は異なりますので、目指そうと思われる方はそれぞれの必要条件や技術を調べた上で下準備をしてくださいね。
具体的に「3Dデザイナー」ってどういう仕事をするの?
ここまでで3Dデザイナーの仕事内容は3DCG、立体的な物を制作することだとお分かり頂けたとは思います。この章では具体的に3Dデザイナーが3DCGの物を完成させるまでの仕事内容はどういったものか、もう少し細かく分けてご説明します。
3Dの作品を完成させるまでには様々な工程があり、一般的に会社では工程ごとに分業されます。そのため一つの作品・プロジェクトに複数のデザイナーが関わることになります。工程は4つに分かれているので、順に挙げていきます。
①モデリング
一つ目は「モデリング」です。3Dモデリングの基礎となる作業で、3Dモデリングをするキャラクターなどの絵やデッサン、つまり平面図から形状データを起こしていき、3Dデータにする作業のことです。この作業は「AUTODESK MAYA」や「AUTODESK 3DS MAX」などといった3D製作ソフトを使って行うのが一般的です。
②テクスチャー
続いては「テクスチャー」です。モデリングをした3Dデータに、更に臨場感やリアリティを出すために行う作業です。モデリングした3Dデータに立体感や色を加えていきます。このテクスチャーの過程は物凄く重要で、するのとしないのとでは3Dデータの質が大きく異なります。最終的な成果物のクオリティを大きく左右するので大変そうですが、その分やりがいも大きいと思います。
③ライティング
3つ目の工程「ライティング」は、3Dデータへの光の当たり方などの調整をする作業です。現実世界に近いライティングを取り入れ、3Dデータのリアリティをより増していきます。まるで実写のような、生き生きとしたキャラクターや、そこに存在しているような物件の3Dデータを作成するには仮想の太陽を付与したり、光源の位置や強弱等を調節するなどの作業が必須です。立体的な物は光の当たり具合、反対方向には影もできますよね。イラストを手描きされる方でもイメージし易い工程かと思います。
④レンダリング
いよいよ最終段階、3Dデータの完成を目指して行うのが「レンダリング」です。ここまでの制作過程で徐々に骨組みが作られてきた、仮想空間上のキャラクターなどの撮影場面を仕上げていく作業です。ここも肝心ですが、基本は①〜③の工程中に簡単なレンタリングを行い、最終的にこの段階で高画質なレンタリングに仕上げるのが主流となっているようです。
3Dデザイナーの仕事に必要な物やスキル、下準備について
実際3Dデザイナーの仕事を始めようと思われた方は、まず仕事を受けられる下準備をする必要があります。この章では3Dデザイナーとして実際に案件を受ける時に必要な2つのスキル「デッサンスキル」「2Dソフト・3Dソフトのスキル」をお伝えします。
補足ですが先ほど2D(CG)デザイナーの話題の際に触れたillustratorやPhotoshopなどのスキルも必須です。3Dデザイナーはアナログなスキルと、デジタルなスキルの両方を兼ね備える必要があります。それぞれ深堀りしてみましょう。
①デッサンスキル
意外かもしれませんが、3Dデザイナーとして必須のデッサンスキル。対象の立体物を観察し、質感や陰影など、その物の構造や形状を正確に観て細かく書き出すといったスキルです。対象物を3Dのデザインに起こす際に対象となる物の特徴を多角的に、立体的な360度の視点で理解する必要があります。3Dモデリングでのデッサン作業は、対象物を今後の制作過程で立体的かつリアリティに表現するための土台作りとも言えますね。精密でリアリティの高い成果物を求められる昨今、対象となる物を多角的に捉えられるデッサンスキルが必要となっています。今の時代に見合った物を創り出すためにアナログ的なデッサンスキルが必須とは、なんとも不思議な感じもしますね。
②2Dソフト・3Dソフトのスキル
先ほどの観察力の優れたデッサンスキルに加え、3Dデザイナーに必須なスキルの二つ目は、2Dソフトと3Dソフトのスキルです。具体例はMaya(※1)・Cinema 4D・3Ds MAX(※2)・MODO(※3)・Softimage(※4)。そしてデッサンスキルと同じくPhotoshopとIllustrator。より活躍の幅を広げたいのであればUnity(※5)やUnrealEngine(※6)などといったゲームエンジンスキルも一通り使いこなせると、対応できるプロジェクトの幅が広がりますので、収入アップへと繋がるでしょう。
【語句の説明:ウィキペディアより一部を引用・要約】
※1:読み方は「マヤ」。ハリウッドをはじめ映像現場で使われているプロ仕様のハイエンドソフト。日本に限ってなら50%以上のトップのシェアを誇る。残りのシェアは3ds MaxとSoftimageが分け合っている状況。
※2:単にMax (マックス) と呼ばれることもある。3次元コンピュータグラフィックス作成用の統合型ハイエンドソフトウェア。キャラクターアニメーションや映像やCAD製品との連携に関して意識されており、それらの分野に使用されることが多い。
※3:ピクサーなどの主要なCG制作スタジオでも採用されている高機能ソフトウェア。
※4:映画のVFXやゲーム制作などで使用されている。Softimageを全面的に開発ラインに取り入れている会社には、カプコンやスタジオジブリがある。ゲーム開発との相性を考慮して設計されており、Softimage上でつけたアニメーションを即座に開発用ゲーム機を通して表示することが可能。
※5:PC(Windows、macOS)だけでなくモバイル(iOS、Android)やウェブブラウザ(WebGL)、家庭用ゲーム機(PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch等)といったクロスプラットフォームに対応しており、VR/AR/MR機器向けのコンテンツ開発にも対応しているゲームエンジン。
※6:多くのゲームで採用されているゲームエンジン。他にも、NASAの宇宙飛行士訓練やウォルト・ディズニ
まとめ
いかがでしたでしょうか。3Dデザイナーの仕事内容に興味を持ってくださった方、始めてみようかなと思われている方も多いかもしれません。
ただ仕事として手を付けるからには「3Dデザイナーって本当に稼げるの?」ととても気になりますよね。実際の案件相場や年収などの金銭的な事情はどのような感じなのでしょうか。
実は現実的なお話ですが、3Dデザイナーとして働く上での報酬はその方の実務経験によって大きく異なります。こういったクリエイティブな職業にはありがちなので落胆する必要はありません。と言うのも経験を積んでいけばフリーランスとして年収1000万円も夢ではありませんから、希望が持てる職業だと言えます。
なお収入に幅が出てくる理由としては、冒頭でも触れましたが、3Dデザイナーは年々進歩していく技術に置いて行かれないように、就職後も日々勉強やスキルアップが必要となるためです。専門性が高いことも挙げられます。最初から安泰とはいきませんが、平均年収や案件相場は他業種と比較して高く、挑戦してみる価値は十分にあります。
ではフリーランスとして独立した場合と、副業として案件を獲得した場合のそれぞれの報酬の相場をみていきましょう。
①フリーランスとして独立している場合
フリーランスエンジニア向けIT求人・案件サイト【フリーランススタート】の調査によると、フリーランスとして独立した3Dデザイナーの平均年収は742万円。一般的なサラリーマンの平均と比べるとかなり上回っているのがお分かりかと思います。3Dデザイナーの最高年収は1080万円、最低年収は360万円という結果です。
3Dデザイナーとして独立して生計を立てるのは可能で、スキルや経験があればサラリーマンよりも稼げるようですね。ただフリーランスではなく会社員としての3Dデザイナーの平均年収は480万円とのことで、3Dデザイナーとして生活したいならフリーランスでの独立がおすすめです。
②副業の場合
3Dデザイナーを副業として案件を獲得した場合の相場ですが、副業での3Dデザイナーはゲームやアニメなどといったプロジェクト単位の案件が多く、そのため原則として報酬は月固定やプロジェクト単位で支払われます。具体的な相場は50〜70万円/月あたり、他の副業と比べるとかなり高額です。
二通りの働き方を比較しましたがいかがでしょうか。まずは副業からスタートしてフリーランスとしての独立も十分に狙える職業です。3Dデザイナーという職業が気になった方は、まず3Dデザイナーの副業案件に応募し、経験をある程度積んでフリーランスとしての独立を検討されてみても良いですね。
なお3Dデザイナーの案件を獲得するなら、「プロの副業」を利用されることがおすすめです。この「プロの副業」で獲得できる案件は、一般的によくある副業、いわゆるお小遣い稼ぎ程度の案件ではありません。高いスキルを持った人材が複数の企業やプロジェクトに業務委託契約で参加し、ご自身の評価とスキルに磨きをかけられるサービスです。この機会に、是非一度ご活用ください。
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