by大村昂太朗
新規事業の立ち上げの成否は人材で9割決まる!プロフェッショナルな人材採用とは
企業において新規事業の立ち上げは常に不確定で、想定外の連続です。それは、社内に新規事業のノウハウや知見を有した人材がいないために起こり得ることです。
そのため、この記事を見ている経営者の方や人事担当者の方は、以下のような問題意識を常に持っているのではないでしょうか。
- どんな人材が新規事業に適した人材なのか
- どうすればその人材を採れるのか
- できれば競合よりも先に採りたい
そこで今回は、さまざまな企業の新規事業領域のお手伝いをしてきた経験を活かし、以下について解説していきます。
- 新規事業の立ち上げに適した人材の定義
- 新規事業の立ち上げに適した人材の選び方
- 実際の採用事例
上記の問題意識を抱えた方は、ぜひ読み進めてください。
目次
新規事業の立ち上げは人材で決まる
新規事業を立ち上げる目的は会社によってさまざまです。
- イノベーションを起こし、会社を飛躍的に成長させる
- 既存事業より利益率の高い領域に進出する
- 進めている事業のピボットのため
しかし、既に安定しているビジネスモデルの中で、効率性や生産性を高めることで利益率を上げる既存事業とは異なり、手探りになりがちです。
その理由は、新規事業の立ち上げに向いている人材の確保とその活用がうまい具合にできていないことにあるからです。
つまり、新規事業を成功させるためには、事業立ち上げからビジネスとして軌道に乗せるまでの工程で、既存の社員が有するノウハウや知見で補っていくことは難しくなりますので、それに見合う新たな人材選びが課題となります。
新規事業の成否は、あくまで社内で培ってきたアセットを100%活かせないことも多いため、いずれの場合も新規事業の成否は人材で決まるといっても過言ではありません。
それでは、どのような人材が新規事業立ち上げに適した人材と言えるのでしょうか。
基本的に新規事業の成功のカギを握るのは、以下の4つのタイプを備えている人材と言われます。
まず、新規事業であることから、新しいことや変化などにスピード感を持って取り組めるチャレンジ精神が旺盛な人材。
次に、事業の課題を見つけ出しその解決策に繋げられるロジカルシンキングできる人材。
3つ目は、新規事業プロジェクトの成功への情熱を、ビジネスシーンで実行する行動力ある人材。
最後に、新規事業の立ち上げの経験があり、成功まで導くプロセスを知り尽くしている人材という、各要素を保有している人材が望ましいでしょう。
イノベーションのジレンマ
とはいえ、今、既存の事業を回している社内の人材をそのままシフトさせればいいのかというと、難しいところです。なぜなら、新規事業に割くリソース自体が既存事業によって賄われるものだからです。
人材を安易にシフトさせてしまっては、会社の既存の事業の継続ができなくなってしまう可能性も高くなります。
特に、利益率の高い事業を行っていると、どうしてもイノベーションのジレンマに陥りがちです。
たとえば、会社側は「優秀な人材は、既存の高利益率のサービスや事業で活躍したほうがメリットもある」と考えがちです。そのため、優秀な人材ほど新規事業を任せづらい側面があります。
だからといって、単純に「無理をしてでも、社内の優秀な人材に任せればいい」というわけではありません。
新規事業と既存事業の領域が離れるほど、今いる人材のつぶしが効きづらくなるなど一長一短があり、なかなか難しいものです。
そのような場合、経営者の方や人事担当者の方は以下のようなジレンマに陥るでしょう。
- 社内の優秀な人材には高い利益を稼いでほしい
- 新規事業は社内の優秀な人材を回せば成功するわけではない
- しかし、中途半端な新規事業は失敗しやすい
それでは、具体的にどんな人材に新規事業をやらせるべきなのでしょうか。それを紐解くために、まずは新規事業に求められる人材の選び方から見ていきましょう。
新規事業の人材の選びかた
新規事業に全力をかける選択肢しかないスタートアップ企業とは異なり、既にある企業は既存事業との兼ね合いからリソースの制約を受けます。
よって、新規事業を行う際は、下記の2つのどちらかに当てはまることが多いです。
- 調査を兼ね、リーン・スタートアップのように、小さく始めてPDCAを高速で回す
- 本格的に新規事業を成長の柱にするため、最初から多めに資本を投下する
前者は利益がとれる新しい事業を探すことに重点を置き、ベンチャーや中小企業で採用される事が多いです。後者は一気に市場でのプレゼンスを大きくすることに重点を置いています。
既に自社でモールやプラットフォームを通じて一定のユーザーを抱えており、そのユーザーを新規事業に流せば、ある程度は回ることが想定できる大企業で採用される事が多いです。
この2つの進め方では、それぞれ求められる人材やリーダーシップが異なります。
小さく始める場合のプロジェクトメンバーの選定
リーンな形で小さく始めなければいけないということは、以下のような新規事業ということです。
- ビジネスモデルがまだ確立されていない
- 利益が稼げるかわからない
こうしたことから、「事業が回る最小規模の状態に、最速で到達することができるチーム」を念頭にメンバーを選定する必要があります。よほどのことがない限りは、競争相手がいることを想定して行いますから、速さが重要視されます。
競争相手よりも速く利益を稼げるビジネスモデルを作り、その領域でプレゼンスを確保することが目的です。よって、プロジェクトリーダーの資質としては、以下のようなものがあげられます。
- 決断力
- リーダーシップ
- 大胆さ
つまり、まず始めることと多少強引でも集まったばかりのメンバーを、すぐにでも動かすことのできる資質を持つ人材が求められるのです。
新しい成長戦略の柱にするための新規事業の場合
「手探りではなく、最初から一定のリソースを投下することを決めている」ということは、以下のような新規事業ということです。
- ビジネスモデルが確立しやすい
- 利益を稼げる公算がある
- クリティカルマスポイントが明らかになっている
これは、技術革新や流行によって既存事業から近い領域に新たなビジネスチャンスが生まれた場合などに、採られることが多い新規事業形態です。
例としては、アメリカなどで既に流行っているビジネスモデルのタイムマシン経営などです。特徴として、成功すれば利益を稼げる公算が大きいため、競争相手が非常に多いことが挙げられます。
よって、一気にリソースを投入して競争相手を引き離すことのできる大企業が行うことが多い新規事業形態といえるでしょう。
大企業は中小企業よりも、ステークホルダーに対しての説明責任を負いますので、新規事業予算でも今後数年の投資規模や、社内人材の何割を充当するのかを事前に決めて、コンセンサスをとっておく必要があります。
そして、決定がなされると一気にリソースが投下されますので、その集まったリソースをまとめあげる資質を持ったプロジェクトリーダーである必要があります。
また、チームのメンバーは社内から集められた数十~数百人の玉石混淆のメンバーになるでしょうから、そのメンバーを適材適所に配置する管理能力と、調整力に長けているリーダーシップを求められる事も多くなります。
こうして、プロジェクトリーダーやメンバーの選び方がわかれば、あとは社内から適した人材を充てればいいのか、というとそういうわけでもありません。
新規事業の立ち上げには、新規事業の立ち上げならではの人材の獲得方法があります。
新規事業立ち上げ人材選びの罠
大前提として、直視しなければいけない事実は至ってシンプルです。そては、「そもそも新規事業領域の経験がある人が社内にいない」ということです。
新規事業であるため、当たり前の事実ではありますが、未経験ゆえにどうしても立ち上がりに相当の時間がかかってしまいます。
新規事業というと、「会社の命運を左右しかねないから、ちゃんと正社員で対応しないと」と考えがちなのですが、見落としがちなのが速さです。その新規事業の分野を狙っているのは貴社だけではありません。
「巧遅は拙速に如かず(こうちはせっそくにしかず)」という言葉がありますが、新規事業にとってはまさにその通りで、速さが重要。リーンな形で始める新規事業なら、なおさらのことです。
社内からのアサインでは、現在の担当領域を引き継ぐ別の人を新しく見つけなければいけませんし、引継ぎに時間もかかります。
もちろん、新規事業へのプロジェクト予算の配分が終わっても、そのメンバーにとっては新しいことですから、実際に立ち上げるのに時間を要します。以上のように、正社員で立ち上げるというのは、実は最速からは程遠いのです。
社内の管理社員と外部のプロフェッショナルが最速・最適
社内には、新規事業の領域への知見を持った人材がいるのは稀です。よって、結論から言うと、下記の方法が最も早い新規事業の立ち上げかたです。
- プロジェクトリーダー、コアメンバーは既存の社員を充てる
- 新規事業領域において知見がある専門スキルを持った外部の人材を充てる
- 徐々に、メンバーを増やし、適応させていく
新規事業の領域次第では、プロジェクトリーダーやコアメンバーでさえ未知なことがほとんどです。
その分野に精通しているプロフェッショナルをメンバーとして迎え入れるのは、プロジェクトリーダーやメンバーへの教育も兼ねているため、少なくともメリットこそあれデメリットは見当たりません。
外部のプロフェッショナルに依頼する際の注意点
外部のプロフェッショナルを採用・依頼する方法は多々ありますが、注意点もあります。
- 一刻も早くジョインすることが可能
- 確実にその分野に精通し、専門スキルを有している
これらの要件を満たした採用でなければ意味がありません。例えば、求人を出して1ヶ月後くらいにやっとメンバーが来た、では遅いですよね。
または、「面接したけど、いい人がいない」のでは、そもそも新規事業に適した人材ではないですし、採用コストだけがかかってしまいます。
既存の採用方法では新規事業に適した人材は見つかりにくい
ただ、この2つの要件を満たした新規事業の立ち上げ人材は、普通の求人ではなかなか見つかりません。理由はシンプルに2つです。
- スキルは書面だけではわからないから
- すぐにジョインできる人材は少ないから
大手人材採用サービスは、転職希望者に履歴書を登録してもらい、要件を満たした企業にスカウトメールを送ってもらうとか紹介する仲介を行うサービスです。
よって、担当者・採用企業双方ともに書面でしかスキルの把握が行えていないため、ミスマッチが起こりやすいというデメリットがあります。
既に利益が確保できている既存事業へのアサインならば、たとえ多少のミスマッチがあったとしても、それを吸収できるコストを確保できるでしょう。
しかし新規事業では、人材のミスマッチはただの無駄に過ぎないばかりかメンバーが少ないので、1人の存在がチーム全体に影響を与えやすく、結果的に足を引っ張ることにもなります。
また、登録している人材は、現職で働きながら転職活動をしているため、現職での引き継ぎや有給消化など、リードタイムが必ずあるのが欠点。競争相手がいる新規事業において、このリードタイムによる立ち上がりの遅れは致命的です。
新規事業の立ち上げ人材の獲得をプロに任せる
新規事業に必要なスキルを満たしており、すぐに仕事を始められる人材を採用するには、下記の要件を満たした人材採用サービスを活用する必要があります。
- 採用エージェントがスキルや人柄を把握している
- 複業や副業を行える環境にいるプロフェッショナルにリーチできる
スキルを満たしている人材であることは当たり前ですが、複業・副業が禁止の会社に勤めている社員では、必ずといっていいほどリードタイムが生じます。
そのため、すぐに参加できるとしたら、複業・副業を行える環境にいるプロフェッショナルな人材しかいません。よって、この人材プールを要しているエージェントや紹介サービスを利用することをおすすめします。
新規事業の立ち上げ人材のリクルート事例(株式会社Schoo様)
実際に、下記のような場合に、複業・副業としてその領域のノウハウや知見がある外部人材のプロフェッショナルを雇用し、速い立ち上がりと社員へのノウハウ・知見の共有に成功した事例もあります。
- 新しい事業領域やサービスをすぐに立ち上げる必要に迫られている
- しかし、社内にノウハウ・知見がある社員がいない
<実際の事例に関する記事>
【企業インタビュー】「副業社員は当事者意識を持ってくれるのが一番のポイント」株式会社Schoo様
まとめ
会社をもう一段階ジャンプアップさせる新規事業の創出は、いつでも手探りであり、相当のコストを伴います。
ただ、立ち上がりをスムーズにしコスト削減するためにも、社内にない新規事業におけるノウハウや知見を既に備えている人材を、競争相手よりも早く採用することが重要です。
そのためには、下記のような紹介サービスを利用すると良いでしょう。
- 採用エージェントがスキルや人柄を把握している
- 複業や副業を行える環境にいるプロフェッショナルにリーチできる
最初は、リードタイムなくプロフェッショナルな人材に立ち上がりを任せ、少しずつ社内の人材に共有し、教育していくことをおすすめしています。
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<こんな方におすすめです>
- 経営課題にマッチしたプロ人材が見つからず、課題が前に進まない
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